DATE: 2017.03.31

本当に良い日本のものを、子どもたちに。ナガオカケンメイさんのインタビュー。

D&DEPARTMENTが選び抜いた「子どもたちのための道具」。そこから見えてくる“日本の未来”とは。

書籍『d design travel』の発刊やイベント「NIPPON VISION」などを通じて、バラエティに富んだ日本各地の地域文化を紹介してきたD&DEPARTMENTが、はじめて“子どものための道具”にフォーカス。4月6日から、東京・渋谷ヒカリエ8Fにあるd47 MUSEUMで、〈47(ヨンナナ)こども道具展〉を開催する。

本展で紹介されるのは、日本全国各47都道府県それぞれの土地の技術や資源など、地勢を活かした玩具や食器、衣服や家具など、衣食住に関わる生活全般の品々だ。

左から、洛中高岡屋の「せんべい座布団」(京都府)、中村さとみの「竹はさみ」(大分県)、みえもんの「黒芯箸と箸袋のセット」(三重県)。

「単に子どもらしく、可愛いものではなく、子どもたちが使って本当に役に立つのか、気持ちいいのかというところを第一の基準にしています。また、紹介する製品の裏側に、それぞれの地域特性がきちんと反映されていることを展覧会を通じて伝えていきたいとも考えています」

D&DEPARTMENT代表で、デザイナーのナガオカケンメイは、本展についてこのように答える。なぜ、このタイミングで子どもにフォーカスすることになったのだろう。

 

「『Good Job!』展の審査員を担当したことがきっかけです。Good Job!は障害のある人たちから生まれたアートやプロダクトを紹介するもの。この仕事を通じて、いわゆる社会的弱者と呼ばれる人たちも世界を構成しているメンバーの一人であり、彼らにも明確な意志があることを痛感し、それは子どもたちにとっても同じことではないかと考えるようになったんです」

これまでに培った全国各地のネットワークを駆使し、本展のためにD&DEPARTMENTは各地から厳選したアイテムを揃えた。

 

「各地の産業の様子はしっかりと認識していたつもりでしたが、子どもというファクターを加えると、いままでとは違った日本のものづくりの様子も見えてきます。従来は、壊れにくくて、安価なものが子ども用品を選ぶときの基準だったのに対し、陶磁器や漆器など、本質的なもので、世代を超えて使い続けられるものが重要視されるようになってきていると思います」

左から、ムーンスターの「KIDS GYM CLASSIC」(福岡県)、天童木工の「キッズチェアT-3117WB-NT」(秋田県)、東製陶所の「くーわん」(石川県)。

いかにメイド・イン・ジャパンのものが、我々が生活をする環境、そして暮らしの感覚に近いところから生まれているのか。それを子どもたちのために選ぶことが、日本の未来にもつながっていくような気がする。

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