DATE 2020.10.31

「しあわせ」って何?

バッテリー切れの自転車を漕ぎながら、家族に感謝を覚えた朝。ラストに綴るのは、人生と明日を前向きに生きるためのヒント。染谷真太郎が考える、「しあわせ」の定義とは。

秋晴れの空。青空が眩しくて風が爽やかで、一年の中でも最高にいいシーズンが到来! 最近、気候が良い日は、チャリで通勤しています。愛車は近所の自転車屋さんでお勧めされた小さめの電動自転車。大きいタイヤのものと迷ったのですが結果的に小さいタイヤのものにして良かったです。マットオリーブグリーンの車体が気に入っています。バスケット(カゴ)とペダルだけ変えてちょっとカスタムしています。たまに家内が週末乗ってしまうと、月曜日の朝に充電が想像より足りない時があり、通勤途中にまさかのゼロになることがあります。バッテリーが効かないと、普通のチャリより重くて地獄です。そのまさかが今朝でした、なんてタイムリー。原稿を書く日に、こんな話題を提供してくれた、家内に感謝すら覚えた坂道。

さてさて、気を取り直して参りましょう。最終回は「しあわせ」について書いてみたいと思います。サラッと書きましたが、ななっ何と今回が連載最終回。短い間でしたが、連載をさせて頂き読者の方に楽しみにしていますよ〜なんて声をかけて頂いたり、僕自身も、これまでの原稿でプライベートな事はあまり書いたことがないので新鮮で有難い機会でした。そんな訳で、感謝の気持ちを込めて今回は、ちょっとだけ大きなテーマ、僕が考える「しあわせ」について書かせて頂きます。

 

とはいえ、僕はそれをものすごく単純に考えています。「『しあわせ』とは、すべて気の持ちよう」かなと。難しい事は何もなくて、「今日もコーヒーが美味しいな」とか「『Shinzone』のゆかいな仲間たちと飲む酒がうまい」と感じること、「子ども達が今日も無事に家に帰って来られたな」だったり、当たり前にある日常こそが自分にとっての「しあわせ」だと考えています。当たり前って何一つ無いと考えているということが、「しあわせ」を実感する第一歩なのかなと。無事に過ごせることが自分にとって「しあわせ」であって、それ以外の幸運はすべてラッキーとしか言いようがありません。今に集中して今に満足できると、気持ちが楽になるし、日常に「しあわせ」を感じやすくなるのかなと思います。けれど、それは努力を放棄するという意味ではありません。

「人間万事塞翁が馬」という故事があります。

ご存知の方も多いと思うので意味は割愛しますが、ある意味、それは「無常」ということにも言い換えることができると思います。

例えば自分が病気になる。そのときはツライ。でも治ったときは、その病気の人のツラさや気持ちがわかるようになっているわけです。こう考えると、まんざらあのツライ思いも捨てたものじゃないと考えられたりします。日々、色んなことが起きるけど、あまり右往左往しないようにしたいと考えています。

 

反対に自分が「しあわせで無い」と感じることも明確で、僕にとっては自分を取り繕っていることが不幸せだと感じます。というのも、僕自分が最も大事にしていることは、自分らしくいること、そして自然体でいることだから。どんな相手に対しても自然体でいること。仕事も家庭もずっと続いて行くことだから、自然体でなければ自分が疲れてしまいます。

もう一つ「しあわせで無い」と感じる事は、怒るときです。例えば、子ども達の態度に筋の通らないことがあれば、それが間違っているということを理解させなければなりません。しかし、自分に余裕がないと“叱る”のではなく感情に任せて“怒って”しまうことがあります。これが僕の中で最も凹む瞬間であり、最も嫌な事です。自分自身がものすごく嫌になる瞬間。だから普段から怒らないということを意識していますけど。けどけど〜、怒っちゃう自分が本当に嫌です。

なぜ筋が通らないか息子たちを諭せるように、自分自身が成長しなきゃなと反省する日々です。

つまるところ自分が自分らしくいられる人や場所を大切にすることが、僕にとってかけがえのない「しあわせ」だと考えています。

 

みなさんの日々が、楽しく豊かなものになりますように。

最後までお付き合いありがとうございました!


※本連載はこちらの回にて最終回となります。ご愛読ありがとうございました。(Fasu編集部)

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