マナー&ルールを教えてくれる絵本
エルメス家がお手本の美しい食卓のマナーとは? 『およばれのテーブルマナー』。
作者であるフィリップ・デュマはエルメスの4代目社長の息子さん(彼の仲良しの兄、ジャン=ルイ・デュマが5代目社長)。童話作家、挿絵画家である作者が、自分の子どもたちにテーブルマナーを教えるために描いたという1冊。マナーブックといっても、難しくかしこまりすぎることなく、ユーモアとウィットに富んだ楽しい内容で子どもたちに、誰かのお家におよばれした時の、テーブルマナーやおもてなしをうける時の振る舞いの基本を教えてくれます。「汚れた手や爪がきたない手をテーブルに置く」「顔をお皿に近づけすぎる」など無作法の見本から、「自らすすんでテーブルに運ぶ」「その家の主婦の料理の腕前を褒める」など褒められるプラスの行動も教えてくれます。大人でも、自分の礼儀作法を今一度見返したくなる、アドバイスがたくさん。一緒に読んで、誰にとっても気持ちいいテーブルマナーをみにつけましょう。
自分の持ち物をひとりじめしないで、『かしてあげたいな』と思えるように。
ナンセンス絵本の大家として知られる長 新太さん。彼の約50年前の絵本が新装復刊されました。はっきりとした色合いと登場するたくさんのかわいい動物たちは、幼い2〜3歳ころから読むのにぴったりです。文章は、「らいおんえほん」の八木田宜子さん。主人公の男の子は自分のスプーンやフォーク、てぶくろをいろんな動物たちに「かしてあげたいな」と思います。それは、動物たちならこんな楽しい使い方ができるだろうな……と想像できるから。小さいころは、自分のものを「貸してあげる」となかなか言えないもの。でも、「貸してあげること」は「なくす」ことでなく別の何かが「生まれる」ことだと、このお話はとても優しく、温かな視点で教えてくれます。バナナを分け合う同シリーズの『ひとつずつ』も一緒に読むのにおすすめです。
主人公は信号機の『しんごうきピコリ』。この色になったら車はどうなる? みんなで考えよう!
ユニークな絵本作品を連発して、今、大人気の絵本作家ユニット「ザ・キャビンカンパニー」。主人公は、かわいい信号機。歩く人たちは、みんな横断歩道で手を上げて渡っています。あ、信号が「あお」になりました。さあ、くるまはどうする? ……と、物語は、はじまります。青だと車は「すすんでもよし」。「どーどーとトラック。ひょーひょーとバイク」が走ります。では、信号が「ピンク」になったら? え、次は「きみどり」になったら? くるまたちは大慌て、予想外の信号の色に、さかだちしたり、ぴょんぴょんジャンプしたりしてしまいます。たっぷりと笑いながら、基本の交通ルールを覚えることができる絵本です。変わった色にならないか、ちゃんと信号をみてから渡ろうね、とおはなしすれば、みんな信号機が大好きになってしまいそうです。