DATE 2018.01.20

刺激的なインベンション絵本

気になるテーマの絵本を3冊セレクトしてお届けする絵本ガイド。今回のテーマは「刺激的なインベンション絵本」。“インベンション”=“発明”をテーマにした絵本に大注目。今では当たり前のものや道具が生まれたルーツを知ったり、奇想天外な発想を学んだり。新しい“何か”を生み出す、ヒントがたくさん詰まった絵本ばかりです。
『発明絵本 インベンション!』 作・絵/アクセル・ドッペルト 訳/ウエダ ノブユキ アノニマ・スタジオ 本体3000円(税別)

火、鏡、めがね、写真、電話……人間が生み出した 偉大な発明を知る『発明絵本 インベンション!』。

フランス生まれのユニークなポップアップ絵本です。私たちの生活を豊かにしたのは、私たち人間が数々のものをインベンション(発明)してきたからこそ。この絵本では、火、時計、鏡、医学、写真、点字、電話など、生活に大きな変化を与えてくれた18の偉大な発明とその歴史を紹介しています。この絵本の素晴らしいところは、飛び出したり、めくったり、引っ張ったりという〈しかけ〉を利用してそれぞれの発明品の仕組みや原理を言葉だけでなく、フィジカルにわかりやすく伝えているところ。グラフィックがおしゃれでデザインも洗練されているのも、さすがフランス生まれといったところ。翻訳を手がけているのは、プレイフル・ラーニングをキーワードに学びの場づくりを数多く実施している同志社女子大学特任教授の上田信行さん。すべてのものは誰かのインベンション(発明)で生まれている。そのことを知るだけでも子どもたちにとってはとても刺激になるはずです。

 

『ややっ、ひらめいた! 奇想天外発明百科』 文/マウゴジャタ・ミチェルスカ 絵/アレクサンドラ・ミジェリンスカ&ダニエル・ミジェリンスキ 徳間書店 本体2000円(税別)

大昔から現代まで、世界中の人たちは発明に夢中だってことがわかる1冊『奇想天外発明百科』。

『発明絵本 インベンション!』で発明に興味がわいたら、ぜひ手にとってほしいお兄さんお姉さん向けの1冊です。古代から人間が挑戦してきたさまざまな「発明」を28点、失敗談も交えながら紹介していきます。例えば、2000年前。古代ギリシャの神殿には自動ドアがあったのだそう! これは、水と熱を利用した数学者であり物理学者のアレクサンドリアのヘロンによる発明品。17世紀のワルシャワでは旅客用ドラゴンを発明、18世紀のヨーロッパではチェスする自動人形の発明が大きな話題になったそう。人間は、便利なものから夢みたいな不思議なものまで、たくさんの発明をしてきたことがわかります。本の冒頭には「発明は、だれが挑戦してもいいのです。必要なのは、想像力とやる気だけ」とあります。この絵本を読み終えたあと、きっと「自分ならなにを発明したいかな?」と考えるようになるはず!

 

『イラストで知る世界の名建築 ハ.ウ.ス.』 著/アレクサンドラ・ミジェリンスカ&ダニエル・ミジェリンスキ 訳/和田侑子 グラフィック社 本体1500円(税別)

世界のスゴくて、へんてこな家がたくさん『ハ.ウ.ス.』、家づくりも発明です!

こちらは、ちょっと趣向を変えて建築の絵本です。この絵本には、世界中から厳選して選ばれた35軒のとっても変わった家が紹介されています。森の中にある木の実のような家、ハンガリーの建築家アンティ・ロバーグが生み出したすべてが丸い泡の家、日本の建築家・隈研吾がフランクフルトにたてたふくらませられる家(茶室)など、建築家がこだわりにこだわり発想した家はどれも驚きがつまっていて刺激的です。イラストと解説を手がけているのは、大人気絵本『マップス 新・世界図絵』の作者コンビ、ポーランドの絵本作家夫妻(『ややっ、ひらめいた! 奇想天外発明百科』の挿画も同じく)。絵本では、彼らの解説とひねりのあるコメントも楽しく、イラストを眺めながら実際はどんな家で、どんな人が、どう暮らしているんだろう?と想像するのも面白い。絵本の中でも、気に入った家があったら自分で調べたり、建築家に会いに行ってみたりしよう、と作者からのコメントが。絵本を読み終えたあと、さらに好奇心が続くユニークな1冊です。

 

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第1回:多様な生き方、暮らし方
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閃いたのは、新しいクリエイティブのヒント? それとも週末のパーティのアイデア?……ホームオフィスを舞台に、生き生きと働くこの女性。実は『Fasu』のファミリーを想定しながら最新のテクノロジーによって生み出されたデジタルヒューマンです。揺るぎない自分らしいスタイルを持ち、仕事に家事に家族とのクリエイティブな毎日を楽しむ『Fasu』的な暮らしを送る母親像をあらゆる面からキャラクタライズして生まれたこの女性は、私たちが生きる、ほんのちょっと先の未来を想定して生み出されました。 コロナ禍をはじめ、混乱する社会情勢、テクノロジーの急激な進化と未知の世界を歩む私たちですが、このデジタルヒューマンが暮らすちょっと先の未来では、果たして私たちは、どのような家族のかたちを求めて、どのように暮らしているのでしょうか。そんな未来の家族のあり方を、グローバルイノベーションデザインスタジオ「Takram」でデザイン、アート、サイエンスほか多岐の分野に亘ってデザインエンジニアを務める緒方壽人さんに3回にわたってお話を伺います。第1回目である今回は、家族での長野県・御代田への移住と、10年来続けてきたというオルタネティヴな暮らし方にいて訊ねました。 これからの人間とテクノロジーのあり方や共生を探る『コンヴィヴィアル・テクノロジー 人間とテクノロジーが共に生きる社会へ』(BNN刊)。その著者でもある緒方壽人さんは、この本の中で、「ちょうどいいバランス」を探すことの大切さについて触れています。 「暮らし方や家族のあり方は多様で、未来に何かひとつの理想形があるとは思いません。ですから今日お話しできることは、僕自身の家族のことや、これまでの経験から考えていることでしかないのですが……」 そう前置きしながら、控えめに、ゆっくりと話し始めた緒方さん。その穏やかな様子は、移住先である御代田の空気をそのまままとっているかのようでした。   〜〜 中略 〜〜 WHAT’S DIGITAL HUMAN? 揺るぎない自分らしいスタイルを持ち、仕事、家事、そして家族とクリエイティブな毎日を楽しむ女性。本記事トップビジュアルとして登場したこのモデルは、先述のように『Fasu』ファミリーの母親像を、顔立ち、ヘアスタイル、メイクアップ、スタイリング、さらにはライフスタイルに至るまであらゆる角度とディテールからキャラクタライズし、生み出されたデジタルヒューマンです。 最新鋭のテクノロジーを用いて生み出されたこのデジタルヒューマンは、東映デジタルセンター「ツークン研究所」、及び『Fasu』を擁する私たちアマナにより「企業広告や、ファッションカタログ、またメディアにおけるモデル使用における様々な課題解決」を目的として開発されました。 このバーチャルモデルを用いることで得られるメリットは1. 人種、人選、肖像権問題にまつわるリスク回避 2.使用期限や版権の制限フリー 3.リモートによる発注から納品 4.インナーブランドの統一化 5.CGによる表現可能領域の拡大……ほか多数。コミュニケーション及びコスト、クオリティなど、モデル使用のあらゆるフェーズで生じるデメリットをミニマムにし、モデル表現の可能性を大きく広げていきます。 デジタルヒューマンが描き出す、新しいモデルのあり方と可能性、そして未来にご期待ください。 問い合わせ先:

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