DATE 2019.03.04

第24回:salviaデザイナー セキユリヲより
養子縁組をして授かった子どもたちとのご縁に感謝しながら。

女性は子どもを産むとみんな「はは」になる。当たり前のことだけど、みんなそれをどう受け入れ、日常を送り、自分の生き方を新たに手にするのでしょうか。この連載では、クリエイターとして活躍する二人の「はは」に手紙をやりとりしていただきます。それぞれの悩みや愚痴、ときに葛藤、あるいは日々の喜びから、あなたや私の「はは」としての生き方のヒントがみつかるかもしれません。2月からは、人気絵本作家である〈tupera tupera〉の中川敦子さんとサルビアを主宰するデザイナーのセキユリヲさんによる往復書簡をお届けします。

セキユリヲさんから中川敦子さんへ。

 

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中川敦子さま

 

お手紙ありがとうございました。会ってから15年!あっという間ですね。京都にお引越しされてから、前のように街でばったり会うこともできないし、お手紙を通じて敦子さんたちの暮らしのことが聞けると思うと、今からわくわくします。

 

ちっちゃかったお子さんたち、この春で6年生と1年生とのこと、おめでとうございます。お手紙の中の「子育ての第1シーズンを終えた」という言葉にどきっとしました。10歳と6歳、そんな早くに気持ちの変化があるのか、とも思うし、10年はひと区切りだろうなとも思う。第2シーズンのことも、たくさん教えてください。

 

うちの子どもたちは姉4歳、弟2歳で、ただいま子育て第1シーズン真っ最中ですね。お姉ちゃんは今までtupera tuperaに大きな影響を受けていて、「かおノート」は1歳くらいからはまっているし、やさいを「すっぽーん」としたり、いろんな素材を使った工作も大好き。ものづくりの楽しさや小さなことを面白がるコツのようなことを教えてもらってます。どうもありがとう。

 

ご存知の通り、私たちは養子縁組をして子どもとのご縁を授かりました。母になったというより、母にさせてもらったという方が近いかな?それまでは、仕事も遊びも夫とのふたり暮らしも猫との暮らしも思い切り楽しんで、自由な感じで生きてきたつもりだったけど、やっぱりどこかさみしいというか、子を育てたいという気持ちがあふれてきて、いろんなことを悩み苦しみ考え乗り越えて、この選択をしました。子育てには大変なこともたくさんあるけど、でもやっぱりあの時にあの決断をしてよかったと心から思います。

 

最近、友人が妊娠・出産を迎えているのを近くで見て、あらためて、うちの子たちをおなかで大切に育て、産んでくれたお母さんたちに心から感謝しています。言葉で簡単には言いつくせないくらい、ありがたい。

 

子どもたちは幼稚園や保育園とはまた違う、「自主保育」といって親が交代で子どもを預け合う野外での活動をしています。毎日おひさまの光を浴びて、母子ともに健康そのもの。遊びや喧嘩にもなるべく口出ししないで見守って、子どもが子どもらしくいられる心地よい場所です。みんな木のぼりやかけっこも大好きだけど、体を動かすだけじゃなくて、ときには絵を描いたり、毛糸遊びをしたり、どんぐりやお花で何かをつくることに集中していることも多いよ。雨や雪の日もカッパを着て外で遊んでます。生まれて数年しか経っていない子どもたちのまっさらな感覚にたくさんの影響を受けている毎日です。

 

最近はすこーしずつ仕事を再開していて。やっぱり、何かをつくって、届けて、よろこんでもらえるのはとてもうれしいことです。つくることに集中できる自分だけの時間も、とても大切と思う。子どもが小さいうちは、のんびりペースでもいいから、今しかできないことをできたらいいなと思って。地域の子育てマップづくりとか、子どもも大人も参加できる織り物のワークショップとか、家族が増えた分、新しいつながりも仕事も生まれました。

 

私たち家族は、普段は東京で暮らし、夏休みや冬休みなど長いお休みの時は北海道の家で過ごしています。いずれそんなお話もできたらと考えています。ではまたね。

 

セキユリヲ

セキユリヲ

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次回更新は3/15(金)の予定です。絵本作家tupera tuperaの中川敦子さんからのお返事です。

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