DATE 2020.01.24

第45回:tupera tupera 中川敦子より
テンテコマイの時期が過ぎれば、見守ったり、受け止めたりが母親の仕事。

女性は子どもを産むとみんな「はは」になる。当たり前のことだけど、みんなそれをどう受け入れ、日常を送り、自分の生き方を新たに手にするのでしょうか。この連載では、クリエイターとして活躍する二人の「はは」に手紙をやりとりしていただきます。それぞれの悩みや愚痴、ときに葛藤、あるいは日々の喜びから、あなたや私の「はは」としての生き方のヒントがみつかるかもしれません。人気絵本作家であるtupera tuperaの中川敦子さんとサルビアを主宰するデザイナーのセキユリヲさんによる往復書簡をお届けします。

中川敦子さんからセキユリヲさんへ。

 

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セキユリヲさま

 

こんにちは。2020年が始まりましたね。
新年のスタートだというのに、世の中はなんだか不穏な空気で、ニュースを見るたびに顔をしかめる日々ですが、子どもたちの未来のために目は背けず、ちゃんと注意して見ていなければいけませんね。今年が、よき1年になると信じて。

 

オリンピックも賛否両論ありますが、セキさんの手紙にも書いてあったように、今ここで起きることを見ておきたいし、選手には、単純に頑張れ!って、大きな声で応援したいですよね。

 

私たちの年明けは、年末に設営をしてきた展覧会が、高知で1月2日からスタートしました。3年間巡回を続けてきた絵本原画展もこれでフィナーレです。今は、来年4月に新しく立川にできる美術館『PLAY!MUSEUM』のオープニングの企画展『かおてん』の準備に追われています。オープンの時には、ご案内を送らせていただきますので、ぜひご家族で遊びにきてくださいね。

 

tupera tuperaだけではなく、いろんな人を巻き込んで(お力を借りて!)面白い空間を企画しています。が、新作もこれからの制作で、まだまだまだまだ!春までノンストップで走り切らなくては間に合わなさそう! ドキドキしております。

 

そんなこんなで、仕事のことではアタフタしていますが、子どもたちとの毎日は穏やかです。セキさんにお手紙を書くのに、最近の出来事なんかを思い出していたのですが、特筆すべきことは何もなく、あれ、なんか落ち着いているな(笑)と感じました。困ってることも悩んでることも、大きな出来事も特別なことも特にない。子どもたち二人を見ていても、そんな感じです。学校生活もそれなりに順調に楽しんでいる様子。

 

もちろん毎日の中で、くだらないことで姉弟がぶつかってケンカをしたり、泣いたり騒いだり、私がイライラ怒ったりということはありますが、そんなこんなも含め日々が普通に流れています。そんなつまらない報告いらないよ、という感じですね(笑)、すみません。セキさん家は、今どんな流れですか? 子どもがまだ小さいうちは、ふりまわされてテンテコマイの時期もありますよね。

 

先日、久しぶりに東京から友人家族が遊びに来てくれたのですが、まだ小さな男の子たちで家から公園に行くだけでも大騒ぎ! こっちを見てたらあっちが走りだす、そっちを追いかけたら、こっちが泣き出す。自分が当事者の時は、は〜って深いため息をついていたかもしれないけれど、もうそういう時期がすぎてしまった私は、まだ重たそうなお尻でひょこひょこ走っている後ろ姿を見ているだけで頬が緩んでしまうし、ちっこくても強い意思があって、いやなことは「いや!」って主張している真剣な顔も可愛すぎて笑ってしまいました。

 

子どもが小さいうちは母親の仕事は具体的なことが多いけれど、成長してくると見守ったり受け止めたり、そういうことが母親の仕事になってくるんじゃないかと感じています。

 

でも、子どもたちが自分のことをある程度できるようになって(息子はまだ「ママ〜!」と甘えてくれるので、いろいろお世話することもありますが)少し余裕ができた今だからこそ、まだ具体的にも母が頑張れることがあるはず……。もっと手抜きせずに料理をしたり、娘と並んでキッチンに立って一緒にお菓子を作ったり、庭の手入れをしたり、何にもできてないなあ。世の母さんたちを見習って、がんばらなくては! と友人達のFBなんかを見ながら反省しています。子ども達が今それぞれのことに集中して空きがあるなと思ったら、こそっと仕事をしに行ったりしてしまうし。

 

映画を観たり、本を読んだり、自分自身を深めることにも時間を使ったり、家族で今までやらなかったことに挑戦したり、久しぶりに海外旅行にも行きたい! 今年はそんな1年にしたいと思っていますが、どこまで実現できるやら。

 

セキさん家族の今年の抱負も聞かせてくださいね。ではでは。

 

 

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次回更新は2020年2/7(金)の予定です。salvia デザイナー セキユリヲさんからのお返事です。

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