JUNE / アガパンサス
みずみずしい季節を彩る
まっすぐな花。
どんよりと曇った空に、しとしとと降りつづく雨。「梅雨を迎える6月は、少し憂鬱になることもあるけれど、そんな時期にこそ美しく映える花を取り入れて、お部屋に清々しい空気を送り込みましょう」。そう言って壱岐さんは、涼しげな青むらさき色の花がたくさんついた『アガパンサス』を見せてくれた。「蕾がプチプチとついている姿が、愛らしいアガパンサス。この小さな花が放射状にパッと咲く姿は、まるで花火のように圧巻で、みずみずしい季節にぴったりです。背が高く、まっすぐな立ち姿も見ていてとても清々しいですよね。根本からすっと伸びるフォルムが魅力なので、同じような茎の花や葉を合わせて、クリアな花器に生けるのがオススメ。ベースに『カシワバアジサイ』を合わせれば、一気に6月の風情に包まれて、梅雨がもっと楽しくなりますよ」。雨の止み間には太陽が顔を出し、キラキラと木漏れ日を揺らす。息を吸い込むと初夏の香りがした。