DATE 2018.10.05

OCTOBER / ツルウメモドキ

花に触れるほど、暮らしは豊かになる。〈The Little Shop of Flowers〉代表であり、自身も母である壱岐ゆかりさんが、季節の花を選び、暮らしに寄り添うカタチを提案。ルールに縛られず、肩の力をすっと抜いて。花をもっと身近に楽しみましょう。

のびのびと空気を描く
香ばしい秋色の実

10月に入って、色づいた実ものがたくさん出てきました。エンジ、朱赤、紅色、橙、レモン色。濃度が少しずつ違うからこそ、何気なく合わせるだけで奥深く香ばしい世界が広がります。『ツルウメモドキ』の実は、殻が落ちた後も、ツルの姿が綺麗に残ってくれるので、うちの花屋に隣接しているレストラン「イートリップ」のお迎え花にもよく使う品種。今回は、ドライになっても綺麗な色姿を出しやすい花材と合わせて、フラワータペストリーを作って壁に飾ってみました。

 

花屋になり、母になり、家族と言っていいほどのチームに恵まれた今、ふと立ち止まって考えたのが母親として、店主として、伝える立場である自分自身の感覚の育成はできているのだろうか?ということ。今まさに、それを見つめ直すタイミングにいると感じます。

職業柄、1年中植物との対話は欠かさないし、例えば“食”に対しても、賞味期限に左右されることなく食べ頃が分かったり、作り手との会話があって食材を選びたいという感覚がある。そういった本来大事だけれど、おざなりにしてしまいがちな感覚を、植物を通して少しでも育めたらと願います。身の周りに芽吹く様々な植物に目を向ける余裕と、月の光や形に気がつくことができる大きい心を、1週間に1回でいいから持つことは、「感覚の育成」に繋がります。植物を生活にとりいれることで、深く深呼吸ができる。それはとても大切なことだと思うんです。

 

忙しい日々の中でも、この『ツルウメモドキ』に出会うと、一呼吸おける感覚があります。花瓶にすっと1、2本を生けたり、そのままの姿を生かして秋のリースにしたり、ドライフラワーの束に空気感を描くように絡ませたり。1本の『ツルウメモドキ』に向かい合い、どう生けるか考える時間は結構気持ちいいです。ちょっと深呼吸の時間を持つという意味で、ぜひお試しいただきたいです。

ツルウメモドキ ORIENTAL STAFF VINE

東アジア一帯に自生し、日本では北海道から沖縄までの全域に分布。ツル性植物で成長が早く、果実は、葉が枯れてからも鮮やかな色を保つ。枝から実が落ちにくく、しなやかなツルや実の美しさから、アレンジメントやリースとして用いられることも多い。

 

〈HOW TO POINT〉

タペストリーは、「銀葉ユーカリ」「笹の葉ユーカリ」「ポポラス」などの濃度の違う緑をキュッと紐で縛って土台にして、スカーフをふわっと巻くように『ツルウメモドキ』をあしらいます。花瓶にすっと1、2本を生けたり、そのままの姿を生かして秋のリースにしたり、ドライフラワーの束に空気感を描くように絡ませたりするのもオススメ。

LATEST POST 最新記事

第1回:多様な生き方、暮らし方
ARTICLES
第1回:多様な生き方、暮らし方

閃いたのは、新しいクリエイティブのヒント? それとも週末のパーティのアイデア?……ホームオフィスを舞台に、生き生きと働くこの女性。実は『Fasu』のファミリーを想定しながら最新のテクノロジーによって生み出されたデジタルヒューマンです。揺るぎない自分らしいスタイルを持ち、仕事に家事に家族とのクリエイティブな毎日を楽しむ『Fasu』的な暮らしを送る母親像をあらゆる面からキャラクタライズして生まれたこの女性は、私たちが生きる、ほんのちょっと先の未来を想定して生み出されました。 コロナ禍をはじめ、混乱する社会情勢、テクノロジーの急激な進化と未知の世界を歩む私たちですが、このデジタルヒューマンが暮らすちょっと先の未来では、果たして私たちは、どのような家族のかたちを求めて、どのように暮らしているのでしょうか。そんな未来の家族のあり方を、グローバルイノベーションデザインスタジオ「Takram」でデザイン、アート、サイエンスほか多岐の分野に亘ってデザインエンジニアを務める緒方壽人さんに3回にわたってお話を伺います。第1回目である今回は、家族での長野県・御代田への移住と、10年来続けてきたというオルタネティヴな暮らし方にいて訊ねました。 これからの人間とテクノロジーのあり方や共生を探る『コンヴィヴィアル・テクノロジー 人間とテクノロジーが共に生きる社会へ』(BNN刊)。その著者でもある緒方壽人さんは、この本の中で、「ちょうどいいバランス」を探すことの大切さについて触れています。 「暮らし方や家族のあり方は多様で、未来に何かひとつの理想形があるとは思いません。ですから今日お話しできることは、僕自身の家族のことや、これまでの経験から考えていることでしかないのですが……」 そう前置きしながら、控えめに、ゆっくりと話し始めた緒方さん。その穏やかな様子は、移住先である御代田の空気をそのまままとっているかのようでした。   〜〜 中略 〜〜 WHAT’S DIGITAL HUMAN? 揺るぎない自分らしいスタイルを持ち、仕事、家事、そして家族とクリエイティブな毎日を楽しむ女性。本記事トップビジュアルとして登場したこのモデルは、先述のように『Fasu』ファミリーの母親像を、顔立ち、ヘアスタイル、メイクアップ、スタイリング、さらにはライフスタイルに至るまであらゆる角度とディテールからキャラクタライズし、生み出されたデジタルヒューマンです。 最新鋭のテクノロジーを用いて生み出されたこのデジタルヒューマンは、東映デジタルセンター「ツークン研究所」、及び『Fasu』を擁する私たちアマナにより「企業広告や、ファッションカタログ、またメディアにおけるモデル使用における様々な課題解決」を目的として開発されました。 このバーチャルモデルを用いることで得られるメリットは1. 人種、人選、肖像権問題にまつわるリスク回避 2.使用期限や版権の制限フリー 3.リモートによる発注から納品 4.インナーブランドの統一化 5.CGによる表現可能領域の拡大……ほか多数。コミュニケーション及びコスト、クオリティなど、モデル使用のあらゆるフェーズで生じるデメリットをミニマムにし、モデル表現の可能性を大きく広げていきます。 デジタルヒューマンが描き出す、新しいモデルのあり方と可能性、そして未来にご期待ください。 問い合わせ先:

2022.11.17
エルゴベビーの抱っこひも「ADAPT」がリニューアル発売。アップデートした機能を解説
動物園、博物館、美術館…。9つの施設でシームレスにクリエイティブな体験ができる「Museum Start あいうえの」とは
圧倒的な高級感で魅了。黒川鞄工房の「シボ牛革」ランドセルシリーズに新色が登場【2023年ラン活NEWS】