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ヨンア|わたしと家族と、 家ものがたり。Vol.9
いつでも家族の気配を感じられる、フラットな空間。
その昔、外国人向けの高級住宅があったという都心の小高い丘の上。石垣と森に囲まれた静かで荘厳なマンションが、ファッションモデルとして活躍するヨンアさんが家族とともに暮らす場所。広い玄関で出迎えてくれたヨンアさんは、すらりと伸びた背に健康的な笑顔、軽やかに揺れるドレスをまとい美しさが際立っている。韓国出身で、日本でモデルとしてデビューをした彼女は、飾らない自然美で長年にわたり多くのファンを惹き付けている。
流れるような後ろ姿を追いかけて、リビングまでの長い回廊を歩けば、壁側に飾られたいくつものアートが目に飛び込んでくる。たどり着いたリビングもまた、静謐なギャラリーのような空間だ。写真や絵画、骨董や書にいたるまで、あらゆるアートが点在している。聞けば、アートに目がないというご主人のコレクションだという。そんな芸術作品に囲まれたリビングの中央に、大きなソファが鎮座する。北欧デザインを代表するルイス・ポールセンのペンダントライトがふたつ、シンプルな空間に華を添えている。南側は大きな窓が広がる開口部で、外のベランダ一面には葉が茂る植栽がほどこされ、室内とグリーンのコントラストも美しい。さりげなくソファに背をもたれるヨンアさん、その姿に上質なくつろぎの時間を想像せざるを得ない。
「アートは主人の趣味ですが、私自身が好きなものも飾っています。時々作品を入れ替えて、部屋の雰囲気を変えたりもしています。子どもが生まれてからは大きなものは置けないから、飾り方も変わったかな」
ソファに座るヨンアさんは、おだやかで優しい笑顔を振りまく。それは彼女が持つもうひとつのママの顔。その視線の先には、3歳の息子さんのプレイコーナーがあって、息子さんが大好きだというキャラクターのおもちゃや、恐竜のフィギュア、クレヨン、絵本や画用紙でいっぱいだ。手作りのクッションフロアで区切られたキッズコーナーで、今朝も息子さんにせがまれて、昆虫の絵をたくさん描いたのだと笑って見せてくれた。
「子どもが生まれて、生活のすべてが変わりました。以前は外食も多かったけれど、いまは毎日料理をしています。週末は家族で一緒の時間を過ごしていて、公園やギャラリーなどにも出かけています。それから覚えたてのママチャリで、息子とふたり、街を走っていますよ! いまは家族との時間がなにより大事。最近は、私の仕事に息子が付き合ってくれることもあり、それが何だか微笑ましいんです」。
モデル活動やテレビ出演に加えて、この数年はファッションブランド「COEL」のクリエイティブディレクターとしても活躍するヨンアさん。長年ファッションの世界に身を置く彼女だからこそ、ウェアラブルでデザイン感度の高いアイテムがファンを惹き付けている。最近では、自身のYouTubeも話題をよんでいる。どの姿もナチュラルで健康的な彼女を映し出しているのは、なによりこの生活を彼女自身が楽しんでいるからに他ならない。いつだって理解を示してくれるご主人、覚えたての言葉で会話する息子さんとの愛しい時間・・・。いまヨンアさんの心を満たすのは、大切な家族であり、この家、この街で過ごす時間なのかもしれない。
現在暮らす街は、…
※「重量木骨の家」ホームページへ遷移します。
ヨンア/モデル
1985年、韓国ソウル生まれ。ファッションモデル。2004年から日本での活動を開始。数々の女性ファッション誌の表紙を飾るほか、テレビCMなどにも数多く登場。2018年より、ファッションブランド「COEL(コエル)」のクリエイティブディレクターに就任。現在、YouTubeにて「ヨンアTV」を配信中。1児の母。