一歳半になり、ここ数週間で言葉を発することが少しずつ増えてきた。まんま、バイバイ、などは比較的早いうちから言っていたのだが、最近は犬の写真を見てはワンワン、と言うのでそのたびに、おお、わかってるね!とか、また言ったね!とわたしと夫が大げさにリアクションするので、それが嬉しかったのか、犬を見ずともワンワン、が口癖になってきた。朝起きて第一声がワンワン、ご飯を食べているあいだも、なにをするにも、合間合間にワンワン、寝言もワンワン、だ。 興味がある言葉をやはり覚えるのか、動物が好きなのかもしれない。そういえば固有名詞で最初に認知できたのは、人間ではなく、飼い猫の名前だった。その猫は去年の十月に亡くなってしまったので、いまとなっては名前を呼ぶこともなくなった。もっと猫の名前を呼んで欲しかったな、とふと思い出しては寂しくなる。子供が生まれる前から一緒だった猫はもういなくなり、猫と同じサイズだった娘は、いつのまにか走り回ってワンワン言っている。そんな姿を見ていると時間の流れの速さに焦る日々である。