DATE 2020.01.17

04. リクルートホールディングス|より良い未来をつくる、社会貢献に取り組むブランド

近年、サステイナブルな地球環境や多様な社会を目指して、さまざまな社会貢献に取り組む企業やブランドが増えています。それぞれの企業はどんな姿勢で未来を考え、行動しているのでしょうか。

求人広告や就職支援、結婚や美容の情報サイトなど、人のさまざまなライフスタイルを支える多彩なメディアを運営する、リクルートホールディングス。銀座や丸の内にオフィスを構える彼らが社会貢献の一貫として行っているのは、約30年にわたるアートやデザインのギャラリー運営。昨年からは、そのギャラリーで子ども向けのクリエイション教育ワークショップもスタートした。

デザインの学び場が街に貢献

リクルートホールディングスは社会貢献の一環として、銀座で2つのギャラリーを運営している。1つは銀座8 丁目の本社ビル1 階にある「クリエイションギャラリーG8」、もう1つは銀座7 丁目ビルの地下1 階にある、「ガーディアン・ガーデン」だ。

 

「クリエイションギャラリーG8」は1985 年に設立され、亀倉雄策賞受賞記念展、JAGDA 新人賞展、日本のアートディレクション展(ADC 受賞展)など、グラフィックデザイン・広告における主要な賞の受賞展を継続的に開催している。また、年数回にわたってデザイナーの企画展を開催し、デザインを通じた豊かな生活の提案や、さまざまな出会いをつくるコミュニケーションの場所として、実験的な表現を積極的に紹介している。

アートディレクター・小杉幸一によるキャラクターデザインの授業にて。夏休みの自由研究にもぴったりなキャラクターが生まれた。

昨年の夏からは、子どもを対象としたクリエイション教育ワークショップ「クリエイション・キッズ・ラボ」を開催。アートディレクター、アーティスト、建築家、ファッションデザイナー、友禅型の彫刻師からふろしき研究家まで、デザイナーを中心に多彩な講師を迎え、子どもたちにデザインの楽しさを体験してもらうことが目的だ。リクルートホールディングス広報の中村さんは次のように語る。

 

「銀座の街の活性化の一端を担えればという思いから、1985 年にクリエイションギャラリーG8、1990 年にガーディアン・ガーデンの運営がスタートしました。銀座には他にもたくさんのギャラリーがありますが、 その中でもグラフィックデザインのギャラリーであるギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)さんとは、同時開催展示など多数のコラボレーションも行っています。

 

これまでクリエイションギャラリーG8では主に、デザイン業界や学生を対象とした展示が中心でしたが、これからは子どもの豊かな想像力やのびのびとした表現力を引き出し、デザインとコミュニケーションを楽しみながら、一緒に学ぶ機会をつくりたいと考えました。実際にプロジェクトを開始してからは、『今年の募集はいつからですか?』など、一般の方々だけではなく、従業員からもお問い合わせいただくようになりました。幅広い層の方々に来ていただいたことで認知度が高まり、最近では近隣の商業施設の方々からも、子どもを対象として何か一緒にできないかとお声がけいただいたり、銀座の街を盛り上げていこうとする人たちとつながることができたりしました。子どもがデザインを体験する場として、またより地域に開かれた活動をするギャラリーとして、認知いただけるようになったと思います。これからもデザインとコミュニケーションを楽しみながら、一緒に学べる機会をつくっていきたいですね」

京都の友禅型彫刻師・山崎憲一氏による、型染め体験ワークショップの様子。

デザインから社会を学ぶ

今夏のクリエイション・キッズ・ラボでは、“ふろしき”をテーマに、「デザインする」「染める」「包む」の3つの内容のワークショップが行われた。「包む」のワークショップでは、かつて室町時代に風呂屋で服の取り違いを防ぐために使用されていたという歴史的な由来や、唐草や鶴亀などの模様に込められた意味など、ふろしきそのものの成り立ちを、子どもたちに問いかけながら、対話形式で行われた。

 

また、スーパーのレジ袋を含むプラスチックゴミの有害性などの環境問題にも触れ、レジ袋の代わりに使用する袋をふろしきで作ってみるという体験活動を通して、子どもたちもより深くその有用性を理解しているようだった。こうしたワークショップを行うことで、子どもの豊かな想像力やのびのびとした表現力とともに、環境に対する意識も育んでいる。

 

デザイン界の権威ある賞の作品や実験的な試みを紹介し、子ども向けのワークショップも行う「クリエイションギャラリーG8」と、若手表現者の発掘を行う「ガーディアン・ガーデン」。リクルートホールディングスが営む2つのギャラリーに共通しているのは、長期的な視点に立ち、これからの文化をつくる人を育成していることだ。この場所をきっかけにどんなクリエイションが生まれてくるのか、これからも目が離せない。

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