そんなふう 29
うちに20個ぐらいあるぬいぐるみ、出産祝いでいただいたもの、友達のお子さんのおさがりでもらったもの、おみやげでいただいたものなど、とにかく娘のためを思ってどこかからやってきたぬいぐるみたちだ。ひとつずつ見ていくとそれぞれに贈っていただいた人たちの顔を思い出しては、あたたかい気持ちになる。
しかし娘にとってはそんなことはおかまいなしで、1歳ぐらいまではとくに関心を示さず、放り投げたりするばかりだった。けれど、成長するにつれて、だんだんぬいぐるみをぎゅっとしたり、なでたり、最近は話しかけたり、寝かしつけたりなどして、娘にとって重要なものとなってきた。たくさんあるなかでも、とくにカエルのぬいぐるみがお気に入りで、保育園の時以外はずっと一緒だ。食事のときも横に座っていないと怒りだし、夜寝るときも一緒、朝起きたときもまずカエルの存在を確認する。ぬいぐるみ以外では、アンパンマン期に突入したようで、少し前は「あんぱんね〜」と言っていたのが、アンパンマン!とはっきり言えるようになり、先週「しょくぱんまんまん」と言えるようになり、今朝起きた第一声は「ばいきんまん!」だった。さまざまなキャラクターのおかげで成長を確認できる。まだドキンちゃん、とは言えないけど、それももうすぐだろう。そしてどんなにぐずっても、カエルのぬいぐるみを抱かせて、アンパンマンを見せれば機嫌もなおり、ほんとうにありがたい……。