そんなふう 23
甥っ子が生まれたときに自分の母性が一度開いたような気がしたけれど、そのときは自分自身が出産することを現実的には全然考えられなかった。
ただ甥っ子に対する愛情が溢れてくることが、それまでなかった感覚だったから、自分でも不思議だっただけだ。
元旦は例年通り、ただ家族と親戚が集まって食事をするだけだったけど、娘と甥っ子が手を繋いで歩く姿をみるのは初めてのお正月となった。あのときに感じた甥っ子を思う気持ちと、娘に対する愛情がリンクして、それぞれのタイミングだったのだと、子を授かってから何度も思うことを二人の背中を見てまたしみじみと感じた。