そんなふう 13
うちの窓から見える桜は山桜系で満開を楽しめるのはほんの数日。毎年心待ちにしているが、出張などで留守が重なると見逃してしまうこともある。満開の日を予想して逆算し、なるべく家にいれるように準備していた。ちょうど快晴で見頃な日にすぐに集まれそうな友人たちに声をかけてランチしながら花見を楽しんだ。きらきらとした日差しが差し込み、桜に光が反射してまぶしい。子供たちの声と、いつもよりも少しテンションが高い大人たちの声が混ざって、なんだかくらくらするくらいに穏やかな春のひとときであった。桜と一緒にこんな風景を見れるなんて、あの引っ越しを決めた日には想像もできなかった。でもあの日に流れが変わった。この日に繋がっていた。