そんなふう 05
生まれるまえに近所の公園内を夫と散歩しながら、もしものことをいろいろと話した。おなかを抱えながら転ばないように、気をつけながらゆっくりと歩いた。もしものことを考えて、生まれるまえから心配してもどうしようもないのだけれど、それでも考えずにはいられなくて。疲れたのでベンチに座って話を続けた。だんだん考えすぎて、ぎゅうっと重たい気持ちに支配されそうになっていたときに、夫の言葉で暗い気持ちに光が射した。ちょうど公園の木々のあいだから木漏れ日がきれいに見えていた。そのときに、生まれてきてくれることを受け入れられた気がする。親になる覚悟とか、実感とかはいまだによくわからないのだけれど、あのとき、あのベンチに座って見えた光のことはずっと覚えているのだろうなと思う。