DATE 2020.04.01

Vol:1マイバッグは「未来を見ているイケてる人!」の証。ロンドン最新サスティナ事情

2030年のゴールを目指し、17の分野別の目標と169項目のターゲットから設定された国連による持続可能な開発目標=SDGs。さて、世界に暮らすあたらしい家族たちは、今、このSDGsにどう向き合って、何を考えている? 今回は東ロンドンに暮らす家族が、スタイリッシュにして、スマートなサスティナ最前線をリポート。

東ロンドン、ハックニーにあるエコショップの店内

イギリスはロンドンからこんにちは!一児の母、シホです。ここロンドンでは、環境に優しく、と言う意識がどんどん加速しています。

 

一番身近な物として私がいま挑戦しているのは、脱・使い捨てプラスチック。日本でも2020年7月1日からプラスチック製買物袋の有料化が始まりますね。こちらイギリスでは2015年より開始され、その後も更なる協議が重ねられています。

 

今では私もごく自然に持ち歩いているマイバッグですが、ロンドンの人たちのマイバッグへの意識は2015年よりもっと以前から高かったように思います。オーガニック食品を扱うお店やエコフレンドリーなショップも多く、サステナブルなことへの関心が高まる環境が自然と整っている印象です。

東ロンドン、ハックニーにあるエコショップの店内

こちらでは、マイバッグを携帯していないと、むしろ少し恥ずかしいくらいで、サステナビリティに関心があることは「お、未来を見ているイケてる人だな!」と思う判断基準にもなっている気がしています。スーパーでの買物だけに限らず、例えばデパートでの買物でもお店のバッグを断る事は少しもおかしなことではありませんし、課金されるバッグの素材も、プラスチックから紙袋へと移行しています。

 

マイバッグとして販売されているバッグの中では、便利でオシャレなネット状のバッグ、タートルバッグが大ヒット中。ファッショナブルだな、と思うママ達のエコバッグはほとんどと言っていいほどこのバッグです。オーガニックコットンでできたバッグはコンパクトにもなるし見た目もヨシ、フェアトレードのもとに制作されUNEP(国連環境計画)のオフィシャルパートナーとあらば、もう言うことナシの花マル商品!最近は色のバリエーションも増えたうえ、子供サイズの販売も始まり、 私も色違いで3色、子供用にも1つ持っています。ネット状になっているので、外遊びの時のお砂場セットやボールを入れたり、夏には濡れた水着を入れたりするのにも大活躍。 子供の教育にもパーフェクトで、手放せないアイテムです。

 

私と娘のタートルバッグ。

一方、近年では2018年にエリザベス女王が王室領地内でのプラスチックストローとペットボトルの使用禁止を発表し、同年にはイギリス政府が使い捨てのプラスチック製品(ストロー、マドラー、綿棒など)の販売を禁止する方針を発表しました。プラスチックのストローやマドラーはカフェやレストランから瞬く間に消え、代わっていま目にするのは紙のストローと木製のマドラーばかりです。

カフェのストローやマドラー。持ち帰り用カトラリーは木製または植物由来の素材に徐々に移行中。

ロンドンでは冷たい飲み物がストロー無しで出てくる機会も多いですが、そのまま飲んでいる人がほとんど。紙のストローだと、最後の方はシワシワになってしまうこともあるのですが、それはそれでなんだか愛おしい。それと同時に、大手チェーン店を含むカフェのレジ横には、バンブープラスチックやシリコン、ステンレスでできたエコカップが並び、 簡単に購入する事ができます。自分で持ち込んだカップを使うとほとんどのお店で50ペンス(約70円)前後のディスカウントを受けられるので、地球にもお財布にも優しい。

カフェのレジ横にあるエコカップ。

去年の夏は、飲み物の支払いの際にカップ代としてデポジットを同時に支払い、使用後にカップを返すと返金してくれるという画期的なシステムが大ブーム。野外フェスなどで積極的な導入が見られ、セレブや若者達がこぞってインスタグラムに投稿をしていました。

 

持ち歩きと言えば、ロンドン市がワンレスキャンペーンという、ペットボトルを1本でも減らそうと言う取り組みを推奨していることもあり、イギリスでは自分用の水筒を持ち歩いている人が多いのですが、その水筒もステンレス製の物がメジャー。市内各所には給水ポイントが続々と設置されており、ショップで販売されている飲み物にも、ガラスボトル入りの飲料を見かける機会が増えてきています。

ガラスボトル入りの飲料

そして、どうしても話しておきたいのがオムツとウェットワイプのこと。イギリスでは各自治区で布おむつの普及が盛んで、自治体によってはスターターキットの金額をサポートしてくれる制度なども整っています。ただ、産後すぐ病院をでて出産2日目から新生児と対峙した私には布おむつはハードルが高かった。完璧なプラスチックフリーを実現できなくても、そこに近づこうと行動を起こす事が大事かな、と考え、通常のオムツやワイプよりも環境に優しいと言うバイオディグレイタブル=生分解性度の高いエコオムツと、100%天然素材から作られているというウェットワイプを選びました。幸いにイギリスでは定期購買なども含めて入手しやすいので助かっていますが、生分解できると言われている素材についてはまだまだ発展途上と言う事ですので、この点は自分の中でも課題の一つです。

 

エコオムツとエコワイプ

サステナブルな生活を考えて行く上での重要な考えの一つに、「循環させる」と言う事があります。“物の始まりと終わりを意識すること”なのですが、移住して5年、いまでは 何か新しく購入する時にはひと呼吸、物の終わりを意識する様になりました。プラスチックも、全てがダメなのではなく、その役割を終える先、最後に行き着く先を意識する事が重要。この先も良い循環を産む生活を、子供と一緒に楽しく考えながら日々を過ごして行けたらと思っています。

LATEST POST 最新記事

第1回:多様な生き方、暮らし方
ARTICLES
第1回:多様な生き方、暮らし方

閃いたのは、新しいクリエイティブのヒント? それとも週末のパーティのアイデア?……ホームオフィスを舞台に、生き生きと働くこの女性。実は『Fasu』のファミリーを想定しながら最新のテクノロジーによって生み出されたデジタルヒューマンです。揺るぎない自分らしいスタイルを持ち、仕事に家事に家族とのクリエイティブな毎日を楽しむ『Fasu』的な暮らしを送る母親像をあらゆる面からキャラクタライズして生まれたこの女性は、私たちが生きる、ほんのちょっと先の未来を想定して生み出されました。 コロナ禍をはじめ、混乱する社会情勢、テクノロジーの急激な進化と未知の世界を歩む私たちですが、このデジタルヒューマンが暮らすちょっと先の未来では、果たして私たちは、どのような家族のかたちを求めて、どのように暮らしているのでしょうか。そんな未来の家族のあり方を、グローバルイノベーションデザインスタジオ「Takram」でデザイン、アート、サイエンスほか多岐の分野に亘ってデザインエンジニアを務める緒方壽人さんに3回にわたってお話を伺います。第1回目である今回は、家族での長野県・御代田への移住と、10年来続けてきたというオルタネティヴな暮らし方にいて訊ねました。 これからの人間とテクノロジーのあり方や共生を探る『コンヴィヴィアル・テクノロジー 人間とテクノロジーが共に生きる社会へ』(BNN刊)。その著者でもある緒方壽人さんは、この本の中で、「ちょうどいいバランス」を探すことの大切さについて触れています。 「暮らし方や家族のあり方は多様で、未来に何かひとつの理想形があるとは思いません。ですから今日お話しできることは、僕自身の家族のことや、これまでの経験から考えていることでしかないのですが……」 そう前置きしながら、控えめに、ゆっくりと話し始めた緒方さん。その穏やかな様子は、移住先である御代田の空気をそのまままとっているかのようでした。   〜〜 中略 〜〜 WHAT’S DIGITAL HUMAN? 揺るぎない自分らしいスタイルを持ち、仕事、家事、そして家族とクリエイティブな毎日を楽しむ女性。本記事トップビジュアルとして登場したこのモデルは、先述のように『Fasu』ファミリーの母親像を、顔立ち、ヘアスタイル、メイクアップ、スタイリング、さらにはライフスタイルに至るまであらゆる角度とディテールからキャラクタライズし、生み出されたデジタルヒューマンです。 最新鋭のテクノロジーを用いて生み出されたこのデジタルヒューマンは、東映デジタルセンター「ツークン研究所」、及び『Fasu』を擁する私たちアマナにより「企業広告や、ファッションカタログ、またメディアにおけるモデル使用における様々な課題解決」を目的として開発されました。 このバーチャルモデルを用いることで得られるメリットは1. 人種、人選、肖像権問題にまつわるリスク回避 2.使用期限や版権の制限フリー 3.リモートによる発注から納品 4.インナーブランドの統一化 5.CGによる表現可能領域の拡大……ほか多数。コミュニケーション及びコスト、クオリティなど、モデル使用のあらゆるフェーズで生じるデメリットをミニマムにし、モデル表現の可能性を大きく広げていきます。 デジタルヒューマンが描き出す、新しいモデルのあり方と可能性、そして未来にご期待ください。 問い合わせ先:

2022.11.17
エルゴベビーの抱っこひも「ADAPT」がリニューアル発売。アップデートした機能を解説
動物園、博物館、美術館…。9つの施設でシームレスにクリエイティブな体験ができる「Museum Start あいうえの」とは
圧倒的な高級感で魅了。黒川鞄工房の「シボ牛革」ランドセルシリーズに新色が登場【2023年ラン活NEWS】