ゆびしゃぶり卒業を目指すなら必読!コロナ時代で話題の絵本『ゆびたこ』って?
子どもがゆびをくわえて安心しきっている様子はなんとも愛らしくある一方、気づけば3歳、4歳と成長してもやめる気配がなく、吸いだこができてしまうほどクセになってしまい、「小学生になってもやめられなかったらどうしよう」「そろそろやめさせなきゃな」と焦り始めるも、長年のクセをやめさせるのは至難の業…。また近年のコロナ禍で、感染症予防の観点からも、「ゆびしゃぶりをやめてほしい!」と願う親はますます増えているはずだ。
そんな子どものゆびしゃぶりに対する親たちの不安を解消してくれると2017年頃から口コミで話題になり、2012年の刊行から9年の時を経て、現在売り上げが爆上がりしているという絵本『ゆびたこ』をご存知だろうか。
子どもたちを惹きつけるのは、突然しゃべリ出すちょっと怖い“タコ”
『ゆびたこ』は、もうすぐ1年生になるのに、ゆびしゃぶりがやめられない女の子が主人公の物語。親指には吸いだこができてしまい、家族も包帯を巻いてみたり、わさびを塗ってみたりと、脱・ゆびしゃぶりを目指して対策を試みるもやっぱり吸ってしまう。
恥ずかしい、どうしようと思い悩む主人公だが、ある日親指の“タコ”をグリグリと触っていると、突然“タコ”がしゃべり出し、「もっとゆびしゃぶりしてわいのこと大きくしてやー」「すってくれよー」と話しかけてくる。
関西弁で話しかけてくる“タコ”の姿はインパクト大。「自分のタコもしゃべり出したらどうしよう」と恐怖すら感じる展開に、子どもたちも一気に惹きこまれてしまうようだ。
そもそも『ゆびたこ』は「ゆびしゃぶりをやめさせる本」として誕生したものではなかった。
「2012年の刊行から5年後の2017年頃から「ゆびしゃぶりがやめられた」「人にすすめられた」といった口コミがネット上で溢れ出すようになりました。昨今の売り上げの伸びを見ると、コロナ禍で衛生面を気にする方が増えたことが関係しているとは思いますが、注目を集め始めたのは、コロナ禍以前でした。『ゆびたこ』という絵本を通して、乳幼児の行為のひとつとして昔からある「ゆびしゃぶり」に悩まれている親御さんとお子さんの想いが広がり、「ゆびしゃぶりがやめられる絵本」になっていったように感じています」(営業担当・吉本 宏美さん)
その声は現在も絶えることなく続いているという。「読者から寄せられる感想で圧倒的に多いのが「ゆびしゃぶりがやめられると聞いて買いました!」「本当にやめられて驚きました!」といった、「!」の多い興奮冷めやらないご感想です。なかには、「周りにも勧めます!」と、力強い『ゆびたこ』応援団を宣言くださる方もいます」(編集担当・松本麻依子さん)
作者のくせさなえさんも小さな頃ゆびしゃぶりがやめられなかったそう。そんな自身の「やめたいけどやめられなかった」という経験から紡ぎ出された物語は、憎めないけど怖い、怖いけど面白い“タコ”との奇妙なやりとりで子どもたちの共感を呼び、「ゆびしゃぶりをやめさせたい」と悩める親たちの想いにも応える絵本となっている。脱・ゆびしゃぶりを目指すなら、ぜひこの冬のおうち時間に、子どもと一緒に手に取ってみてほしい。