DATE 2019.06.20

大人にも味わってほしい哲学的絵本【4歳~向け】

気になるテーマの絵本を3冊セレクトしてお届けする絵本ガイド。今回のテーマは大人にも味わってほしい哲学的絵本です。絵本は子どもたちに楽しみを与えるだけでなく「考えること」のきっかけも教えてくれます。大人も「なるほど…」と唸る、思考する絵本をお届けします。
『セミ』著/ショーン・タン 訳/岸本佐知子 河出書房新社 本体1,800円(税別)

現代社会の虚を鋭くあぶりだす衝撃的絵本『セミ』。

文字のない絵本『アライバル』で知られる絵本作家、画家、映像作家として活躍するショーン・タン。その最新作がこちら。主人公は表紙で佇む、グレーのスーツを着たセミ。オフィスでひとりきり、ミスもせず、無欠勤で残業までさせられて、17年間も働いたセミ。人間の、誰ひとりとしてセミに感謝せず、彼をまともに相手にしません。そんなセミが定年をむかえたら……。とてもシンプルな物語ですが、ページをめくるたびに心にひりひりとした感情が募ります。セミは一体、人間のことをどうみていたのでしょうか。ひたすらにグレーで無機質なつまらない世界。そこを脱皮したセミが飛び立った先はどんなに色鮮やかなのでしょう。翻訳家・岸本佐知子さんの手がけたセミの言葉使いもとても愛らしく、キャラクターに似合っています。

『へいわとせんそう』文/たにかわ しゅんたろう 絵/Noritake ブロンズ新社 本体1,200円(税別)

いったい、何が違うのかを考える『へいわとせんそう』。

人気イラストレーターのNoritakeさんの簡略化されたポップなイラストレーションと同じようにわかりやすい言葉で核心を伝える詩人・谷川俊太郎さんによる絵本。ページをひらくと、元気いっぱいの「へいわのボク」と膝を抱えて辛そうな表情の「せんそうのボク」。「へいわのワタシ」は本が読めて必要なものが机の上に揃っています。でも、「せんそうのワタシ」には何もありません。「へいわ」と「せんそう」を対比することで、平和であることがどういう意味をもつのか、そして戦争が起こるとどんなに悲しく、つらいことが起きるかも教えてくれます。そして、絵本の最後は「みかた」と「てき」を比べます。そこにいる人に、みえる景色に、大きな違いはあるのでしょうか。とても大事なことを考えるきっかけになる1冊です。

『このよで いちばん はいやいのは』原作/ロバート・フローマン 翻案/天野祐吉 絵/あべ弘士 福音館書店 本体900円(税別)

どんな動物より、光よりもはやいものは?『このよで いちばん はやいのは』。

カメとウサギならどちらが速い?でも、ウサギより速いのは…。比較の対象を広げていき、カモシカよりチータ、チータより魚が泳ぐスピードのほうが速い、と段々と視野を広げて、速いものを考えていきます。人間は、動物と比べては、そんなに速く走れないけれど、速く走る道具を作りだしました。新幹線、自動車、飛行機、人工衛星。速いもの探しは、宇宙に飛び出します。この世でもっとも速いのは、光の速度。でも、実はそれよりもっと速く、遠くへいけるものがあって…。物語の最後に語られるのは“物質的な速さ”では語りきれないもの。でも、その速さの尊さを知っていることが一番、大事なような気がします。『あらしのよるに』のあべ弘士さんによる挿画もとても魅力的です。

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第1回:多様な生き方、暮らし方
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第1回:多様な生き方、暮らし方

閃いたのは、新しいクリエイティブのヒント? それとも週末のパーティのアイデア?……ホームオフィスを舞台に、生き生きと働くこの女性。実は『Fasu』のファミリーを想定しながら最新のテクノロジーによって生み出されたデジタルヒューマンです。揺るぎない自分らしいスタイルを持ち、仕事に家事に家族とのクリエイティブな毎日を楽しむ『Fasu』的な暮らしを送る母親像をあらゆる面からキャラクタライズして生まれたこの女性は、私たちが生きる、ほんのちょっと先の未来を想定して生み出されました。 コロナ禍をはじめ、混乱する社会情勢、テクノロジーの急激な進化と未知の世界を歩む私たちですが、このデジタルヒューマンが暮らすちょっと先の未来では、果たして私たちは、どのような家族のかたちを求めて、どのように暮らしているのでしょうか。そんな未来の家族のあり方を、グローバルイノベーションデザインスタジオ「Takram」でデザイン、アート、サイエンスほか多岐の分野に亘ってデザインエンジニアを務める緒方壽人さんに3回にわたってお話を伺います。第1回目である今回は、家族での長野県・御代田への移住と、10年来続けてきたというオルタネティヴな暮らし方にいて訊ねました。 これからの人間とテクノロジーのあり方や共生を探る『コンヴィヴィアル・テクノロジー 人間とテクノロジーが共に生きる社会へ』(BNN刊)。その著者でもある緒方壽人さんは、この本の中で、「ちょうどいいバランス」を探すことの大切さについて触れています。 「暮らし方や家族のあり方は多様で、未来に何かひとつの理想形があるとは思いません。ですから今日お話しできることは、僕自身の家族のことや、これまでの経験から考えていることでしかないのですが……」 そう前置きしながら、控えめに、ゆっくりと話し始めた緒方さん。その穏やかな様子は、移住先である御代田の空気をそのまままとっているかのようでした。   〜〜 中略 〜〜 WHAT’S DIGITAL HUMAN? 揺るぎない自分らしいスタイルを持ち、仕事、家事、そして家族とクリエイティブな毎日を楽しむ女性。本記事トップビジュアルとして登場したこのモデルは、先述のように『Fasu』ファミリーの母親像を、顔立ち、ヘアスタイル、メイクアップ、スタイリング、さらにはライフスタイルに至るまであらゆる角度とディテールからキャラクタライズし、生み出されたデジタルヒューマンです。 最新鋭のテクノロジーを用いて生み出されたこのデジタルヒューマンは、東映デジタルセンター「ツークン研究所」、及び『Fasu』を擁する私たちアマナにより「企業広告や、ファッションカタログ、またメディアにおけるモデル使用における様々な課題解決」を目的として開発されました。 このバーチャルモデルを用いることで得られるメリットは1. 人種、人選、肖像権問題にまつわるリスク回避 2.使用期限や版権の制限フリー 3.リモートによる発注から納品 4.インナーブランドの統一化 5.CGによる表現可能領域の拡大……ほか多数。コミュニケーション及びコスト、クオリティなど、モデル使用のあらゆるフェーズで生じるデメリットをミニマムにし、モデル表現の可能性を大きく広げていきます。 デジタルヒューマンが描き出す、新しいモデルのあり方と可能性、そして未来にご期待ください。 問い合わせ先:

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