自分の“好き”を見つける絵本
創造することの楽しさを描いた『わたしは映画監督 ヤング・シャーロット』
ニューヨーク近代美術館(MoMA)発の絵本シリーズ第2弾。主人公はニューヨークに暮らすちょっと個性的な女の子シャーロット。シャーロットは黒と白が好き。学校の先生は、それは色とは言わないというけれど、彼女は全然、気にしません。シャーロットが特別大好きな白と黒の世界は、映画の中。モノクロ映画が大好きなシャーロットはMoMAの映画部門を担当するスカーレットという女性と知り合い、2人は大親友に。スカーレットはシャーロットがカメラでとったモノクロ映画を気に入ってくれます。好きな気持ちを貫く女の子を描くストーリーはもちろん、フランク・ビバによるイラストレーションも洗練されていて素敵な1冊。クリエーションの楽しさ、自分の世界を共有することの大切さを伝えてくれます。
みんなとちがうからできることがある『まめまめくん』。
ヨーロッパ各国で話題を集め、日本語版は小山薫堂が訳をつけたギフトにも最適な1冊『まってる。』の著者であるデヴィッド・カリの心温まる1冊。 豆つぶみたいに小さく生まれてきた、まめまめくん。靴はお人形の靴、ベッドはマッチ箱がぴったりのサイズ。小さいけれど、ブロックの岩のぼりもしちゃうし、ゼンマイカーを運転して、バッタも乗りこなしちゃう。でも、小学校に入学したら、できないことが増えてきて……。先生も「将来、この子はどうするんだろう?」と心配します。だけどそんな心配はご無用!と笑い飛ばすのがこの絵本のおしゃれなオチ! さて、まめまめくんはどんな大人になったのでしょう? みんなと違うこと、できないことがあったとしても、それは工夫次第でどうにかなる。自分のできること、好きなこと、得意なことを伸ばしていけばいいんだと、とってもかわいいまめまめくんを通して教えてくれます。
たてものを作るのが大好きな男の子のお話、『天才こども建築家、世界を救う』。
イギーは子ども建築家。なんとたった2歳でおむつをのりでペタペタはりあわせて、どーんとそびえる「おむつのとう」を完成させます。庭で砂遊びをしていたかと思えば、スフィンクス像を作ったり、パンケーキを積み重ねてセントルイスのシンボル、ゲートウェイアーチを完成させたり、パパもママもイギーの才能にほれぼれ! だけど、小学校に入ったら「建築」の授業なんてないことがわかって、やる気を失ってしまいます。そんなときに遠足であるハプニングが起こり……。何であったとしても、夢中になれることをみつけることはとっても尊いこと。それは大人も子どもたちも同じです。何歳になったとしても、イギーのように熱い情熱をかたむけてみたいものです。