眠れない夜に読みたいベッドタイム絵本。大人もおすすめ。
夢の世界へと誘う絵本『どこかで だれかが ねむくなる』。
長いテキストはない絵本です。愛らしくも幻想的で美しいイラストレーションは『ゆきのうえ ゆきのした』(福音館書店)なども手がけたアメリカの画家クリストファー・サイラス・ニール。それに優しい詩を添えるのは、アメリカの児童文学作家メアリー・リン・レイです。アメリカのどこか片田舎、大きな牧場の家。女の子は一匹の蜂をみつけます。蜂は夕方、真っ白なバラのベッドで夜がくるのを待っています。ビーバーは小枝のベッドを作り、大きなクマは同じくらい大きな丸木のベッドにもぐりこみます。みんながそれぞれの寝床へ。それは、とても幸せな時間です。女の子はお父さんにおはなしを読んでもらって気づいたらもう夢の中。すべての生き物たちにおやすみなさい。最後の1ページ、かわいい女の子の寝顔に誘われて一緒にぐっすり眠りにつけそうです。
アルファベットで眠りに誘う『おやすみなさいABC』。
『おやすみなさい おつきさま』など100冊以上の絵本を発表したマーガレット・ワイズ・ブラウンの1冊です。夕暮れから夜が深まるまでの時間経過とAtoZの言葉遊びをかわいらしい切り絵で描いたのはロシア出身のアーティスト、エズフィール・スロボドキーナ。絵本『おさるとぼうしうり』(福音館書店)などでも知られている作家です。クラシカルなイラストのタッチがとても魅力的。また、一匹の子猫がお部屋で遊ぶ、Aの「Alone」からはじまり、ぐうぐうといびきをかく「Z」で終わる構成もお見事。いろんな言葉を学びながら、最後は「Yawn」とあくびをして、おやすみなさい「Zzzz」とパタンと絵本を閉じられる、とても気持ちのよい1冊です。
いろんな夜を旅してみよう『よるのえほん』。
夜にはいろんな顔があります。夏の夜は花火大会、秋の夜はハロウィーンのお祭り、冬の夜のお楽しみといえばクリスマス・イブ……。にぎやかな街の夜もあれば、森の中や海の中、生き物たちが眠る静かな夜もあります。そして、夜はやさしくみんなを穏やかな眠りへと誘います。王様もぐっすり、王様の猫もぐっすり、お友達のあの子も「おやすみなさい」とベッドに入ります。「エンバリーおじさんの絵かき絵本」シリーズ(偕成社)などで知られるエド・エンバリーとそのパートナーであるバーバラによる共著。彼ららしい、鮮やかなイラストが楽しく、夜の時間を魅力的に描きます。