刺激的なインベンション絵本
火、鏡、めがね、写真、電話……人間が生み出した 偉大な発明を知る『発明絵本 インベンション!』。
フランス生まれのユニークなポップアップ絵本です。私たちの生活を豊かにしたのは、私たち人間が数々のものをインベンション(発明)してきたからこそ。この絵本では、火、時計、鏡、医学、写真、点字、電話など、生活に大きな変化を与えてくれた18の偉大な発明とその歴史を紹介しています。この絵本の素晴らしいところは、飛び出したり、めくったり、引っ張ったりという〈しかけ〉を利用してそれぞれの発明品の仕組みや原理を言葉だけでなく、フィジカルにわかりやすく伝えているところ。グラフィックがおしゃれでデザインも洗練されているのも、さすがフランス生まれといったところ。翻訳を手がけているのは、プレイフル・ラーニングをキーワードに学びの場づくりを数多く実施している同志社女子大学特任教授の上田信行さん。すべてのものは誰かのインベンション(発明)で生まれている。そのことを知るだけでも子どもたちにとってはとても刺激になるはずです。
大昔から現代まで、世界中の人たちは発明に夢中だってことがわかる1冊『奇想天外発明百科』。
『発明絵本 インベンション!』で発明に興味がわいたら、ぜひ手にとってほしいお兄さんお姉さん向けの1冊です。古代から人間が挑戦してきたさまざまな「発明」を28点、失敗談も交えながら紹介していきます。例えば、2000年前。古代ギリシャの神殿には自動ドアがあったのだそう! これは、水と熱を利用した数学者であり物理学者のアレクサンドリアのヘロンによる発明品。17世紀のワルシャワでは旅客用ドラゴンを発明、18世紀のヨーロッパではチェスする自動人形の発明が大きな話題になったそう。人間は、便利なものから夢みたいな不思議なものまで、たくさんの発明をしてきたことがわかります。本の冒頭には「発明は、だれが挑戦してもいいのです。必要なのは、想像力とやる気だけ」とあります。この絵本を読み終えたあと、きっと「自分ならなにを発明したいかな?」と考えるようになるはず!
世界のスゴくて、へんてこな家がたくさん『ハ.ウ.ス.』、家づくりも発明です!
こちらは、ちょっと趣向を変えて建築の絵本です。この絵本には、世界中から厳選して選ばれた35軒のとっても変わった家が紹介されています。森の中にある木の実のような家、ハンガリーの建築家アンティ・ロバーグが生み出したすべてが丸い泡の家、日本の建築家・隈研吾がフランクフルトにたてたふくらませられる家(茶室)など、建築家がこだわりにこだわり発想した家はどれも驚きがつまっていて刺激的です。イラストと解説を手がけているのは、大人気絵本『マップス 新・世界図絵』の作者コンビ、ポーランドの絵本作家夫妻(『ややっ、ひらめいた! 奇想天外発明百科』の挿画も同じく)。絵本では、彼らの解説とひねりのあるコメントも楽しく、イラストを眺めながら実際はどんな家で、どんな人が、どう暮らしているんだろう?と想像するのも面白い。絵本の中でも、気に入った家があったら自分で調べたり、建築家に会いに行ってみたりしよう、と作者からのコメントが。絵本を読み終えたあと、さらに好奇心が続くユニークな1冊です。