夏休みは家族で映画鑑賞!2019年サマームービー特集
■子どもから大人まで皆で盛り上がれる超大作が続々登場
1. 『トイ・ストーリー4』
〈ストーリー〉
ウッディたちの新しい持ち主・ボニーの一番のお気に入りは、彼女がフォークで作ったおもちゃの“フォーキー”。しかしフォーキーは自分をゴミだと思い逃げ出してしまう。フォーキーを追いかけて外の世界に飛び出したウッディは、旧友・ボーや新しいおもちゃたちに出会い、外の世界を知る。自由な世界を目の当たりにしたウッディが最後に選んだ、驚くべき決断とは?
〈見どころ〉
世界中が涙した前作『トイ・ストーリー3』から9年の時を経て、待望の新作が登場!「おもちゃにとって大切なことは子どものそばにいること」と信念を持っていたウッディが、新しい持ち主・ボニーから遊び相手に選んでもらえない事態に直面したことから、新たな物語が紡ぎ出されていく。全編を通しておもちゃたちの生き様や想いが丁寧に描かれ、遊ぶ側である人間もおもちゃとの関わりを見つめ直したくハートウォームな作風は健在だ。ウッディが最後に選ぶ“おもちゃとしての生きる道”は、切ないながらも背中を押したくなる名シーン。ウッディの踏み出す新たな一歩を劇場で応援して。
2. 『ペット2』
〈ストーリー〉
マックスとデュークの飼い主・ケイティが結婚し、息子リアムが誕生した。しかしマックスはリアムを可愛がるあまり育児ノイローゼになってしまう。常にリアムの安全に気を払っていたマックスだったが、旅行先で出会った農場犬のリーダー・ルースターから、大切な存在を守ることの本当の意味を教わる。一方マックスたちの仲間であるポメラニアンのギジェットやウサギのスノーボールは、それぞれ厄介な問題に巻き込まれていた……。
〈見どころ〉
マックス&デュークの家族旅行での出来事や、マックスから預かったおもちゃを巡って猫たちとバトルを繰り広げるギジェットの物語、悪徳サーカス団の団長からホワイトタイガーを救おうと奮闘するスノーボールの戦いの3つのストーリーが並行する本作。それぞれが手に汗握る展開で進行し、最後には一つの壮大なクライマックスに結びつく、観客を飽きさせない構成はさすがの一言!思わず笑ってしまうペットたちの“あるある行動”の数々も、動物好きは必見だ。マックスがリアムを溺愛する姿は、子育て中の親なら誰もが共感するはず。マックスとリアムの関係に変化が見られるラストシーンは感涙必須なので、ハンカチの用意をお忘れなく。
3. 『アラジン』
〈ストーリー〉
純粋な心を持つ貧しい青年アラジンと、王宮に閉じ込められ自由を求めていた王女ジャスミンは、ある日運命的に出会い恋に落ちる。格差ゆえに一歩が踏み出せないアラジンだったが、ランプの魔人・ジーニーの力を借りて、恋愛成就に奮起する。しかしジーニーの魔法を自分のものにし、国王の座を狙う外務大臣ジャファーの魔の手がアラジンの背後に迫っていた……。
〈見どころ〉
ディズニーの普及の名作を実写化した本作は、世界興収10億ドルを突破した今夏の一大ヒット作。アニメーション版を現代風にアレンジしたストーリーで、アラジンとジャスミンの恋愛模様を描きつつ、ジャスミンの“自立”にフォーカスしているのが印象的だ。女性が自らの力で立ち上がり活躍することを訴えるフェミニスト・ジャスミンの姿は、女性はもちろん、女の子のお子さんを持つ親御さんも胸にグッとくるものがあるはず。またアニメーション版で人気を博したサントラも、新たなアレンジを加えてアップデート。特にジーニー役のウィル・スミスがヒップホップフレーバーで歌いあげる「フレンズ・ライク・ミー」は、親子でノリノリになること間違いなしだ。
4. 『ライオン・キング』
〈ストーリー〉
サバンナの王国・プライドランドの王であるムファサに、息子シンバが誕生した。ムファサはシンバに命の摂理や王としての使命を教えるが、王位を狙うスカーによって命を落とし、シンバも王国を追放されてしまう。新たな世界でシンバは新しい仲間たちに出会いたくましく生き延びるが、自分の生まれてきた意味・使命に気付き、父が愛した王国を取り戻すため宿敵スカーに戦いを挑む。
〈見どころ〉
壮大なジャングルを舞台に生命賛歌を描いた名作「ライオン・キング」が、圧倒的な映像美で“超実写”化!監督のジョン・ファヴローは、同じくジャングル映画である実写版『ジャングルブック』を手がけた名匠。動物たちを感情豊かに生きいきと描く手腕を、本作でも遺憾無く発揮している。サバンナの神秘的な映像や、魂を揺さぶる不朽の名曲の数々、シンバやスカーの息を呑むバトルシーン、家族の絆や命の尊さを描く感動の物語……。1秒たりとも無駄のない極上のエンターテイメント作品に仕上がっており、まさに親子で鑑賞したい作品だ。本作はビヨンセがシンバの幼馴染・ナラの声を務めており、ビヨンセが歌う新曲も多数登場!音楽好きは注目して。
5. 『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』
〈ストーリー〉
ピーターは夏休みに、学校の友人たちとヨーロッパ旅行に出かける。しかしそこに待っていたのは、元S.H.I.E.L.D.長官のニック・フューリーだった。自然の力を操るクリーチャー“エレメンタルズ”がヨーロッパの各都市を破壊しはじめ、ニックはスパイダーマンの力を必要としていたのだ。強敵を前に怖気づくピーター。ニックはピーターに異次元から来たというミステリオを紹介し、2人は協力して戦いに挑んでいく。果たしてピーターはこの厳しい戦いを乗り切れるのか……!?
〈見どころ〉
本作は、アイアンマンの後継者と期待され重圧を感じていたピーターが、真のヒーローとして生きる覚悟を決めるまでを描いた成長物語だ。最新技術を駆使した戦闘シーンは大迫力で、痺れるようなアクションやスパイダーマンの新しいスーツなど、ヒーローに憧れている男の子たちにたまらない演出が随所に散りばめられている。コミックではヴィランとして描かれる、ミステリオを演じたジェイク・ギレンホールの演技も圧巻。マーベル作品初出演でありながら、敵か味方か分からない怪しげな役を難なく演じるジェイクの存在感が、作品に華を添えている。ファンならずとも理解しやすい物語に仕上がっているので、これを機にマーベル作品デビューを果たすのもおすすめ!
6. 『天気の子』
〈ストーリー〉
天候の調和が狂って雨が降り続いていた夏。離島から東京に家出をした16歳の帆高は生活に困り、マクドナルドのアルバイト店員・陽菜にハンバーガーを恵んでもらう。東京行きのフェリーで出会ったフリーライター・須賀の事務所で働き始めた帆高は、ある日街で陽菜に再会。祈ることで空を晴れにできる陽菜の力を知ることとなり、その能力を使ってビジネスを始める。
〈見どころ〉
美しい色彩と繊細な言葉が生み出す洗練されたアニメーションが、国内外で高い評価を受ける新海誠。そんな新海の名を知らしめたヒット作『君の名は。』に続く待望の新作『天気の子』では、雨が降り続く東京の地で少年と少女が出会い、自らの生き方を悩みながらも選択していく様子を、エモーショナルかつ力強く描いていく。2人が織りなす恋物語は美しくも切なく、10代の若者ならではの心の葛藤を的確に描写する新海の技量はお見事。前作に引き続き音楽を担当したRADWIMPSの情緒溢れる楽曲も、物語に深みをプラスして感動の物語に導いている。10代のお子さんはもちろん、かつて10代だった全ての大人の胸に刺さる傑作をお見逃しなく。
■小学校高学年〜向き!家族の絆に涙する感動作
7. 『僕のワンダフル・ジャーニー』
〈ストーリー〉
3回の生まれ変わりを経て、最愛の飼い主・イーサンと再会したベイリー。再び“犬生”の終わりが見えイーサンに別れを告げようとしたとき、イーサンから「孫娘のCJを守るために戻って来てほしい」と新たな使命を与えられる。イーサンと妻のハンナは義理の娘のグロリアと折り合いが悪く、グロリアはCJを連れて家を出てしまったのだ。少女から大人へと成長するCJの人生に寄り添うため、ベイリーは再び何度も生まれ変わり奮闘する。
〈見どころ〉
犬と人間の感動の絆を描いてスマッシュヒットを記録した『僕のワンダフル・ライフ』の続編が晩夏に公開!“今この瞬間”をひたむきに生きる陽気なベイリーがスクリーンにカムバックする。ベイリーの目線で描きながらも、女性の成長と家族の絆に焦点を当てたメッセージ性の強いストーリーなので、ペットを飼っていない人も楽しめるのが本作の魅力の一つ。CJを幸せにするだけでなく、バラバラになったイーサン家族の絆を一匹の犬が取り戻そうと奮闘する姿は、涙なしでは見られないはず。鑑賞後に思わず家族やペットを抱きしめたくなる心温まる物語を、ぜひ親子で楽しんで。
8. 『エセルとアーネスト ふたりの物語』
〈ストーリー〉
1928年、ロンドン。楽天的で陽気な牛乳配達のアーネストは、生真面目で働き者のメイドのエセルと恋に落ち結婚する。子宝に恵まれず悩む2人だったが、遂に最愛の息子レイモンドが誕生。しかし家族3人、幸せな毎日を噛みしめていた矢先に第二次世界大戦がはじまった。過酷な戦争を生き抜き、子育ての苦労を共有し、時に喧嘩を重ねながら老いるまで共に歩んだ1組の夫婦のかけがえのない日々が、今明かされる……。
〈見どころ〉
『スノーマン』で知られる英国人作家レイモンド・ブリッグズが、両親の人生を描いた名作絵本を映像化した本作。エセルとアーネストが生きたのは、第二次世界大戦が起きた激動の20世紀。穏やかな日常が戦争により失われ、家族が離ればなれになる辛い現実の中でも、ささやかな出来事に笑いあい支え合って生きる2人の姿はまさに夫婦の鏡だろう。山あり谷ありの人生の中で、何杯の紅茶を一緒に飲み、何回口喧嘩をし、何回笑いあったのか。当たり前の日常こそが最大の幸せなのだと気づかせてくれる2人の姿に、温かな感動をもらえるはず。ブリッグズの大ファンだというポール・マッカートニーが、自身の母を想い書き下ろした感動的なエンディングソングも必聴だ。
■中・高校生の子どもと一緒に見たい隠れた名作
9. 『Girl/ガール』
〈ストーリー〉
バレリーナを夢見るトランスジェンダーの少女ララ。男性の体でプロを目指すことは容易ではないが、ララの夢を全力で応援してくれる父親の支えもあり、難関バレエ学校への入学を果たす。初めての公演が決まり厳しいレッスンの中で血の滲むような努力を重ねるララだったが、同級生たちからの好奇の眼差しや嫉妬、嫌がらせを受け、次第に心も体も壊れていく……。
〈見どころ〉
もしも我が子がLGBTだったら、自分には何ができるのか?親であれば一度は考えるこの疑問に、即答できる人は少ないはず。主人公ララには絶対的な味方となってくれる父・マティアスがいるが、どんなに父がララを愛していても、ララの孤独を埋めることはできない。家族の愛だけでは救えないほど、トランスジェンダーとして生きる道は苦しく過酷であることを、本作は切に訴えかける。父の想いとララの想いが悲しくも交差し、辿り着く衝撃の結末は鑑賞後に親子で話し合いたくなるテーマだろう。家族だからといって全てを分かり合える訳ではないが、それでもどんな現実も受け止め、共に乗り越えようとする親子の絆に心が震える感動作だ。
10. 『シンク・オア・スイム イチかバチか俺たちの夢』
〈ストーリー〉
2年前から鬱病を患い、妻に頼って引きこもり生活を送るベルトランは、子どもに軽蔑され義姉夫婦からも嫌味を言われる日々にうんざりしていた。そんな毎日を変えるべく、ベルトランは地元の公営プールで活動していた「男子シンクロナイズド・スイミング」に入部!しかしチームメイトはベルトラン同様、仕事に家庭に問題を抱え人生に行き悩む、“サエないおじさん”たちだった。
〈見どころ〉
マチュー・アマルリックやギヨーム・カネなどヨーロッパを代表するトップ俳優たちが豪華共演を果たし、ほぼ全編海パン1枚で中年のだらしのないボディを披露している話題作。シンクロ初心者のおじさんたちが世界選手権を目指すスポ根ものだが、鬱病、会社の倒産、家族の不仲などおじさんたちが抱えるシビアな悩みが次々と浮き彫りになり、爽やかさとは無縁のビターな物語が展開されるのがフランス映画らしい。人生の再起をかけてなりふり構わず挑むおじさんたちの姿は、無様でありながらどこか愛しささえ感じるから不思議だ。人生の苦しみに真正面から向き合い乗り越える彼らに、リアル中年男性はもちろん、これから長い人生を歩む子どもたちも勇気をもらえるはず!
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