それぞれの家庭のそれぞれの食事風景。いつだってパパやママは健やかな子どもたちの成長を願って、おいしい食時間を作るべく日々奮闘しています。そんな家族の食卓から見えてくるのは、子どもたちが笑顔になる食事への工夫、賑わいと喜び、そして離乳食へのお悩みも。新しい業態のファミリーレストラン「100本のスプーン」のパパシェフが、そんなお悩みを解決すべく、“子ども食のレシピ”をご紹介します。
しろっぷ村山さんご家族
2歳3カ月になる双子の子ども、結二郎(ゆうじろう)くんと 葉る季(はるき)ちゃんが誕生して、家族の時間は一気ににぎやかに。フォトグラファーの玄子(ひろこ)さんと、しろっぷさんはレタッチャー。撮影のときは二人とも不在になることも多いから、保育園、おじいちゃんとおばあちゃん、ときには親戚の手まで借りての子育てです。「沢山の人に助けてもらっていて、日々感謝です。仕事も暮らしも大切にしたい」と語る、しろっぷさんの子育ては家族に一体感を生んだといいます。
「あまり似てないねと言われる、二卵性の双子なんです。覚えたての言葉で噛み合わない会話をしていたり、苦手な食べ物を譲り合ったりと、いつもくっついてニコニコしているのが、なんとも微笑ましくて」
生後5カ月で始めた離乳食。病院の先生から進められて5倍粥からのスタート。かぼちゃと玉ねぎのお団子、ミルク粥、野菜を混ぜて焼いたおやき、納豆雑炊に、ふたりが大好きという手作りのシュウマイにいたっては、二段のセイロをフル稼働させて、下段で子どもたちのシュウマイを、同時に上段で大人の蒸し料理をつくって時短調理。
「1歳くらいのときって食べている最中に眠くなると、寝ちゃうんですよね。さっきまで楽しそうに食べていたのに、あれ?なんか元気なくなった?と思うと、うとうとしてきたりして、それでも頑張って起きて食べようとしている様子を見ているとクスクス笑ってしまいます。せっかく作っても全然食べてくれない日もあるけれど、喜んで食べてくれるときは嬉しくて。次はこうしてみたらいいかな、と夫婦でひそひそ企むのです。」
離乳食をスタートしたしろっぷさんご家族。食卓を囲むことで、子どもたちの成長や家族みんなの絆がどんどん強くなっていきます。
「みんなが揃って食卓を囲む時は、同じ目線で話せる大切な時間です。食べられるものが増えていったり、食べ方がうまくなったり、新しく話せるようになった言葉に気づくことが多いですね。子どもたちの成長がみえる、ひとつひとつの小さな発見のたびに、嬉しい気持ちになります。みんなで楽しく食卓を囲みたいから、料理は時間や手間をかけすぎないようにしようと話し合って。がんばってつくっても結局食べなかったりするし(がっかり)、簡単につくった方が意外とパクパク食べたりしてね。玄子さんも忙しいし、とにかく時短時短だー!と。そうしたら、気づくと1ヶ月の半分くらいカレーを食べている時もありました(笑)。それでもいいと思うんです。みんなで食べて、たくさん笑えるのがいちばんですから」
本日の食卓お悩み
「大人の食事と子どもの離乳食・幼児食の食材の調理過程を一緒にするようにしていました。その場合、レパートリーが少なくて、大人はカレーが多くなってしまって。大人も子どもも満足できそうな、他の味付けを知りたいです」
パパシェフ答え
「自分たちで“悩み”を解決している素敵なファミリーですね。逆に勉強させていただきました。特に良いなと思ったのが、家族で一緒に食卓を囲めるように工夫しているところ。どんなにおいしい離乳食をつくるよりも、食事を一緒に楽しむことの方が大事だなと改めて実感します。大人と子どもの調理過程を一緒にするという点、離乳食づくりにおいてはすごく良いと思います! カレー以外のレシピで“ポトフ”はいかがですか?」
家族で食べるポトフ
(材料/大人2人、子ども2人分)
・ 新じゃがいも 4個
・ 鶏手羽もと 4本
・ にんじん 1本
・ 玉ねぎ1個
・ 昆布だし 700g
・ 塩 適量
手順
① じゃがいもは洗っておく。にんじんは皮をむき、天地を落とす。玉ねぎは皮をむき芯を取る。
② 鍋に昆布だし、塩をひとつまみいれ、手羽元とすべての野菜を入れて火にかける。
③ 沸騰したらアクを取りながら、野菜が柔らかくなるまでコトコト煮込む。
④ 離乳食分の野菜と肉を適量取り出し、食べやすい大きさにカットしてお皿に盛る。手羽元の皮の部分は脂が多いので取り除く。
(大人用は、味が薄ければ塩コショウを引いて完成。)
※ポイント:野菜を昆布だしで煮ることで旨味がアップします。
プロフィール
しろっぷ村山 (Syrup Murayama)
レタッチャー。システムエンジニア、映画配給会社を経て、2013年から村山写真事務所を開設。フォトグラファーの村山玄子との夫婦ユニットで写真を制作しています。甘い物が好き(今は控えめ)。2歳の双子の父。
高橋徹也 (Tetsuya Takahashi)
100本のスプーンの業態料理長。服部栄養専門学校を卒業後、神楽坂のフレンチ「ル・マ ンジュ・トゥー」、神谷町の「シェ・ウラノ」など個性豊かなシェフの元で修行を重ねる。2歳と0歳、二児の父。