47都道府県の子どもたちへのものづくり [関東エリア]
1. 茨城 「おおば木匠」
木材にじっくり向き合い生まれた、繰り返し使われつづける幼児椅子
1997年に石岡市に開設した家具工房。素材はなるべく丸太で購入し、製材、乾燥とじっくり時間をかけた板材を使う。幼稚園や保育園での使用を想定し、構造をシンプルにすることで丈夫さと軽さを両立。「10年後より、20 年、30 年後の方が素敵になる家具」を目指し、無垢の木材の質感や木目を活かしてつくられる幼児椅子。
2. 栃木 「鹿沼のすごい木工プロジェクト」
全国の腕利きが集まる鹿沼、肩にかけられる持ち運びスツール
良質な木材資源に恵まれ、日光東照宮造営の折りには、全国の腕利きの木工職人が集結した鹿沼。現在も成長し続ける、鹿沼の木工技術の魅力を伝えようと「鹿沼のすごい木工プロジェクト」が2011年に発足。日光杉を使用した「Hang Stool」は付属の紐を通せば、子どもが肩にかけられるほど軽い。様々な使い方が発想できる椅子。
3. 群馬 「カスタネット工房 冨澤健一」
森の再生と一緒に歩む、復活した無垢のカスタネット
赤と青の教育用カスタネットは、スペインの民族楽器を元に、みなかみ町の小さな工房で製造され、全国に届けられていたが、木材の入手困難により、2013年に製造中止に。そこで、みなかみ町の森を再生する「赤谷プロジェクト」と協力し、地元の広葉樹を使った無垢のカスタネット製造を再開。音楽と共に森を守ることも伝える。
4. 埼玉 「コンセル」
シンプルなつくりで、遊びをつくり出すおもちゃ
絵本や教材などの製作・販売を行う「コンセル」は2000年に戸田市に移転し、「遊ばれるのではなく、遊びを作り出せるシンプルなおもちゃ」をコンセプトに、木製玩具の製作を開始。「kururin」は立てた状態で左右どちらかに優しく倒し、側転のように回転させながら、手のひらをうまく使うことで、様々な技を楽しめる。
5. 千葉 「五香刃物製作所」
鍛冶職人が伝統製法でつくる、しっかりと切れる子ども包丁
洋食文化の普及により、東京周辺で盛んになった「関東牛刀」。大量生産可能な工場の出現により衰退したが、2007年に「五香刃物製作所」の刃物鍛冶職人・八間川義人が千葉県指定伝統的工芸品として認定を受けた。すべて手作業の伝統的な製法で生み出される、本格的な切れ味だからこそ、力のない子どもでも安全に切れる。
6. 東京 「KINO TOKYO TREE PRODUCTS」
多摩の山を身近に感じる、余った木材のカトラリーキット
住宅用建材として人工的に杉や桧が植えられたが、国産木材の需要低下から手入れがされない森林が全国で広がっている。「KINO」は、東京の森林の7割がある多摩の木材を使い、山の現状を 知ってもらおうと、自ら木を削ってカトラリー などをつくるキットを製作。日常的に木とふれあい、山を身近に感じるきっかけを生む。
7. 神奈川 「薗部産業」
小田原の“挽き”から生まれる、手に吸い付くようなお椀
かつては武具に携わる木地師や漆塗り職人が盛んに腕を振るい、現在は様々な技術を持つ木工業者が集まる小田原で、原木の加工から仕上げまでを手掛ける「薗部産業」。飯椀や汁椀だけでなく幅広く使える「めいぼく椀」は、木を知り尽くした職人の木地挽きの技術から生まれ、手にしっとりと吸い付くような、日常使いのお椀。