出産や子育ては陸上でする
さて、冒頭の写真はアシカ? それともアザラシ?(正解は、2つ先の写真で!)
アシカとアザラシ、どちらも分類的には意外にもネコの仲間。 4本の足を鰭(ひれ)に変えた動物が鰭脚類(*1)です。
鰭脚類には、セイウチ、アシカ、アザラシの仲間が含まれ、ほぼすべてが海に住んでいますが、出産や子育ては陸上で行います。
このうち、大きな牙が特徴のセイウチは1種しかいないため区別しやすいのですが、アシカとアザラシはしばしば混同されます。
*1 鰭脚類(ききゃくるい)
水中生活に適応した哺乳類のグループで、ヒレ状の四肢が特徴。食肉目(ネコ目)に分類される。哺乳類の中でも大きな体をもち、最大のミナミゾウアザラシの体重は3〜4tにもなる。
「動き方」と「耳の有無」がポイント
アシカの仲間は前足の鰭が大きく、上体を起こして歩くことができます。水中では前足で羽ばたくようにして泳ぎ、小さいながらも耳(耳介*2)があります。
また大型のトドや、毛深くて鼻先のとがったオットセイもアシカの仲間です。
*2 耳介(じかい)
耳の一部で、外に張り出している部分のこと。ヒトで言うと、いわゆる一般的に「耳」と呼んでいる部分を指す。
一方、アザラシの仲間は前足の鰭が小さく、上体を支えることができないため、陸上では腹ばいで移動します。泳ぐ時には体を左右にくねらせ、後足の鰭で水をかきます。
またアザラシの耳に耳介はなく、穴だけが見えています。
つまり、水陸両用の鰭脚類の中でも、陸上寄りの仕様なのがアシカ、水中寄りの仕様なのがアザラシと言えそうです。
水族館や動物園に行ったら、彼らの「前足の大きさ」や「耳の形状」に注目してみてくださいね。