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日々変化していく子どもの成長を見守り、家族がひとつになる「家」。一緒に過ごす時間を何よりも大切にしたいから、子どもと密着できる暮らしを優先。第4回は、食育や料理の分野で活躍する、和田明日香さん。素敵なママの魅力を探ります。
食べることで繋がる、家族みんなの居心地の良さ。
真っ白なキッチン。食器棚も調理台も窓枠も、クリーンな白一色。カウンター式になっている調理場スペースの天井には、大きな天窓がついている。その天窓から降りそそぐたっぷりの自然光が、まるでスポットライトのように、キッチンに立つ美しい女性をさらに輝かせている———。白づくしのキッチンの中をこっそりのぞくと、足下の床は、意表をつく鮮やかな赤だった。
「キッチンは、わたしにとって聖域みたいなもの。赤い色は気合いが入ります。リングにあがるような気持ちで、ここに入るんですよ」と、光を浴びた女性は高らかに笑う。
和田明日香さんは、料理家・平野レミさんを姑にもち、タレント活動や食育インストラクターとして現在活躍中。持ち前の大らかな性格と、明るくさっぱりとした話し方で、個性あふれる料理家として知られる平野レミさんとの楽しい掛け合いも、話題を呼んでいる。
そんな明日香さんが家族と暮らす家が建つのは、都心からほど近い人気の街。夫が生まれ育った場所であり、結婚してからずっと夫婦で暮らしていた馴染みの場所だ。毎日の食材を買うスーパーも、可愛い雑貨や洋服を買うお気に入りの店もある。大好きなレストランも、ほとんどがこの街にあるという。
「とにかく居心地が良すぎて。子育てをはじめてからは、この土地にますます愛着が沸いてしまったんです。結婚して夫と暮らしたマンションで子育てがはじまりましたが、やっぱり手狭になってしまって。住み替えに、近隣のマンションや建て売りなどを数多く見たけれど、行き着いたところは“自分たちの好きな街に、好きな家を建てよう!”ということでした」
この土地から離れたくないという思いで、街の中でもエリアを限定せずにあちこちの土地を探した。そうこうしているうちに出合えたのが、日当りのいい角地。建築事務所へは、夫婦で相談を行く際には、自分たちの希望がしっかりと伝わるようにと、さまざまなプレゼンテーションを事前に制作し持ち込んだという。中には夫が用意したポエムもあったりして、設計士を驚かせたというエピソードも。それだけ思い入れも強かった我が家が完成したのは、5年ほど前のこと。
「家づくりをしていたのは、3人目の子がお腹の中にいるときでした。家ができあがるか、赤ちゃんが出てくるのが先かってタイミングだったんです。無事女の子を出産後、夫が『新しい赤ちゃんを新しい家で迎えたいから、明日引っ越し予約した!』と。産後10日で急遽この家に引っ越してきたんですよ(笑)」
その次女はもう5歳になり、9歳のお姉ちゃんと7歳のお兄ちゃんを追い抜かすようにして、この家を縦横無尽に走り回っている。家族が集まるLDKは3階の最上階にあり、いまはこの部屋が子ども達が最も多くの時間を過ごす場所でもある。リビングの一角には、小さなデスクと椅子、たくさんの絵本や色鉛筆が並んでいる。窓には、ママに宛てた可愛らしい手紙や絵が張り付けられていて、子ども達が不在の日中でさえ、愛おしい空気に満ち満ちている。
「子ども部屋は2階と1階に個々の部屋があるのですが、普段は目の届くリビングで宿題をしたり、遊んだりしています。いまはお友達が来ると、大人から隠れる場所として子ども部屋を使っていますね」
まるで外国のリビングのような、居心地のいいカントリー調の内装。“窓”が好きという明日香さんの希望もあって、キッチンの天窓しかり、家全体に窓の数がとても多い。ダイニングの最も大きな窓は、…
※「重量木骨の家」ホームページへ遷移します。
和田 明日香
1987年4月17日生まれ。東京都出身。3児の母。
料理研究家・平野レミの次男と結婚後、修行を重ね、食育インストラクターの資格を取得。各メディアでのオリジナルレシピ紹介、企業へのレシピ提供など、料理家としての活動のほか、各地での講演会、コラム執筆、CM出演など、幅広く活動する。2018年、ベストマザー賞を受賞。著書に『子どもは相棒 悩まない子育て』(ぴあ 2018年)、『和田明日香のほったらかしレシピ』(タツミムック 2019年)。