DATE 2019.04.16

コドモ建築家25名と考えた公園計画が完成! 〈100本のスプーン〉「公園づくり計画のお披露目会」レポート

「100本のスプーン あざみ野ガーデンズ」が2018年秋からスタートしている“コドモたちとみんなでつくる公園プロジェクト”。店舗のとなりに作る公園を25人の子どもたちと一緒に考えるプロジェクトが、3月上旬、公園づくり計画のお披露目会を行いました。
コドモ建築家25人と考えた公園計画の模型

このプロジェクトは〈かんがえる編〉〈つくる編〉〈あそぶ編〉の3つのフェーズに分けられ、今回が公園の計画を〈かんがえる編〉の最終章。第1回のコンセプトのアイデア出しや模型づくり、第2回の公園の基本構想のワークショップを経て、今回の第3回では、いよいよ設計図がお披露目されます。

3回に渡るワークショップに参加した25名の子どもたちは“コドモ建築家”としての任務をやり遂げ、お披露目の日を迎えました。満足そうな笑顔で席に座り、メディア関係者が多く集まる中、お披露目会はスタートしました。

最初に「100本のスプーン」レストラン事業部の宮川大さんが開会の挨拶を行いました。1年半前からスタートしたこのプロジェクトへの思いを伝えます。

「お店には、お子様連れのお客様が多く来店されますが、お子様は30分くらいで食べ終わってしまう。時間もエネルギーも持て余してしまう子どもたちのために、レストラン横にあった100坪の土地を公園にしちゃおうと今回のプロジェクトが始まりました。進めるうちに、『子どもたちと一緒に作ったら楽しいんじゃないか?』と地域の子どもたち25名に“コドモ建築家”として参加してもらいました。

みんなでアイデアを出したり、測量したり、模型を作ったり。そのまとめが、本日のお披露目会で発表されます。参加した小学1年生から6年生の子たちが、大人になった20年後に、自分たちの子どもを公園に連れて来てくれる……そんな未来があったら素敵だなと思い、このプロジェクトを続けてきました」

プレスの中神さんより、今回のお披露目会のテーマが「はじめての記者会見」であることを伝えます。そしてプロジェクトの講師を務める建築家の岡野道子さんと“コドモ建築家”25名により、設計図が発表されました。

建築家の岡野道子さん

「子どもたちといろいろなアイデアを出し合い、この形に落とし込むまで、2回に渡り話し合いを進めて来ました。
公園は大きく5つのエリアに分かれています。

 

子どもたちの見立て方次第で遊び方が変わる、最後がテーブルになっている滑り台がある「世界一たのしい食卓」

●海賊船やお家など、作りたいものに着せ替えが自由で、子どもたちだけが入れる「ひみつの小屋と公園の地図」

妖精がいるかもしれない? “ちょっと不思議”で、それぞれの秘密基地をアレンジして作れる「ひみつ基地の村」

●レストランと連携し畑で野菜などを作り、調理してテーブルで食べたり、野菜の収穫祭などができる「みんなの畑」

●金柑や柚子、梅などの木を植え、収穫した果物をレストランまで送れる「くだものの森」

コドモ建築家25人と考えた公園模型

傾斜がある土地なので、子どもたちが身体的に解放され、多様な動きを誘発できるような配置をしています。

中央の滑り台から滑り終わった後も、いろいろな方向へ回り、滑り台の下をくぐることもできる。斜面に沿っていくつか階段を作ったり。子どもの動きが多様化するような、色々な遊びが誘発されるような配置を心がけています。今回の発表は完成形ではなくて、これから遊びを生み出せるような“下地”だと捉えていただけたらと思います」

5つのチームに分かれた“コドモ建築家”が「どんな公園にしたいか」の思いを発表します。

コドモ建築家によるプレゼン

 

—「レストランに果物を運び、レストランからも荷物が運べるよう、ロープに歯車をつけました」—

—「『もしもしパイプ』を5本作り、こそこそ話もできるようにしました」—

—「お花をたくさん植えて、お花ハウスを飾り付けしたいです」—

—「長い滑り台で、たくさん楽しめるようにしました」—

—「秘密基地は、男の子や女の子用、そしてゴロゴロしたい人用の3種類を作りたいです」—

 

プロジェクトのプログラム監修を務めた、ミュージアムエデュケーターの会田大也さんは、「一番大切なキーワードは“オーナーシップの醸成”」と総評します。

ミュージアムエデュケーターの会田大也さん

「この公園が、子どもたちが『自分たちで計画した』と感じられるように、必要なプロセスを踏んで来ました。『自分たちで作ったんだ』という気持ちになることで、公園を大事にしたり、公園に友達を招いたりする気持ちにつながる。この後、公園がどんどん変化するのが大切で、遊びながら『ここは直したい』『ここをこうしたい』とアイデアを出す。色々なアイデアがここから生まれるのを楽しみにしています」

 

続いて、建築家の岡野さんが〈かんがえる編〉の感想を伝えます。

 

「この公園は、子どもたちの無限のアイデアを多様にしてあげる場所でもあると思います。『こう遊ぶんだよね』ではなく『こういう遊びもできるかもしれない』と、子どもたちから変えていけるような、生み出す場所を作りたいと続けて来ました。

子どもたちは多種多様な意見を持っています。意見はそれぞれ違っても、グループで話し合いをして、友達と自分の意見を取り入れることで変化が出てくる。それが大人になっていく、ひとつのプロセスにも感じました。これからも変化し続ける公園を、子供たちと一緒に作って行きたいと思います」

最後に、宮川さんから子どもたちに〈かんがえる編〉修了証書が渡されます。フォトセッションでは、たくさんのカメラを前に子どもたちと写真撮影が行われました。

終了後は、個別の取材時間。グループごとにメディアの記者が、インタビューを行います。MilK JAPONも子どもたちにインタビューしました。

挙手するコドモ建築家

—-公園作りのプロジェクトに参加してから、公園の見方は変わりましたか?

 

「夏はひまわり、梅雨はあじさい、季節ごとに色々な花があることに気づいた」
「よくある遊具だけじゃなくて、畑があったり、収穫できる果物があったり。公園では遊ぶだけじゃなく、工夫すると色々なことができると分かった」

 

—-公園作りのプロジェクトに参加した感想は?

 

「自分たちの声で、果物畑、滑り台、いろんなものができたのが嬉しかった。遊具以外もたくさんあって、1日遊べる公園になって良かった」

「最初は普通の公園だと思ったけど、果物を採ったりできて、畑もあるから、作るのが楽しくなってきた」

〈100本のスプーン〉「公園づくり計画のお披露目会」に参加した女の子

—-これからどんな公園にしていきたいですか?

 

「季節の花を使って、花飾りを作りたい」
「お花を増やして、きれいな公園にしたい」
「他の公園は小さいけど、ここは大きい。日本にはない公園を作りたい」
「世界でひとつだけの、大人も楽しめる自由な公園にしたい」
「どんな季節でも遊べて、大きくなっても飽きない公園にしたい」
「一度来た人が楽しいと思って、また来るようになる場所にしたい」
「笑顔があふれる公園にしたい」

 

“コドモたちとみんなでつくる公園プロジェクト”〈かんがえる編〉の次は〈つくる編〉が5月からスタートします。

〈つくる編〉では、5月に「畑づくりのワークショップ」、8月に「ベンチづくりのワークショップ」、10月には「秘密基地づくりのワークショップ」を開催予定。同時に公園の工事も進んでいきます。

今後もどんどん変化していく「100本のスプーン あざみ野ガーデンズ」から目が離せません。

LATEST POST 最新記事

第1回:多様な生き方、暮らし方
ARTICLES
第1回:多様な生き方、暮らし方

閃いたのは、新しいクリエイティブのヒント? それとも週末のパーティのアイデア?……ホームオフィスを舞台に、生き生きと働くこの女性。実は『Fasu』のファミリーを想定しながら最新のテクノロジーによって生み出されたデジタルヒューマンです。揺るぎない自分らしいスタイルを持ち、仕事に家事に家族とのクリエイティブな毎日を楽しむ『Fasu』的な暮らしを送る母親像をあらゆる面からキャラクタライズして生まれたこの女性は、私たちが生きる、ほんのちょっと先の未来を想定して生み出されました。 コロナ禍をはじめ、混乱する社会情勢、テクノロジーの急激な進化と未知の世界を歩む私たちですが、このデジタルヒューマンが暮らすちょっと先の未来では、果たして私たちは、どのような家族のかたちを求めて、どのように暮らしているのでしょうか。そんな未来の家族のあり方を、グローバルイノベーションデザインスタジオ「Takram」でデザイン、アート、サイエンスほか多岐の分野に亘ってデザインエンジニアを務める緒方壽人さんに3回にわたってお話を伺います。第1回目である今回は、家族での長野県・御代田への移住と、10年来続けてきたというオルタネティヴな暮らし方にいて訊ねました。 これからの人間とテクノロジーのあり方や共生を探る『コンヴィヴィアル・テクノロジー 人間とテクノロジーが共に生きる社会へ』(BNN刊)。その著者でもある緒方壽人さんは、この本の中で、「ちょうどいいバランス」を探すことの大切さについて触れています。 「暮らし方や家族のあり方は多様で、未来に何かひとつの理想形があるとは思いません。ですから今日お話しできることは、僕自身の家族のことや、これまでの経験から考えていることでしかないのですが……」 そう前置きしながら、控えめに、ゆっくりと話し始めた緒方さん。その穏やかな様子は、移住先である御代田の空気をそのまままとっているかのようでした。   〜〜 中略 〜〜 WHAT’S DIGITAL HUMAN? 揺るぎない自分らしいスタイルを持ち、仕事、家事、そして家族とクリエイティブな毎日を楽しむ女性。本記事トップビジュアルとして登場したこのモデルは、先述のように『Fasu』ファミリーの母親像を、顔立ち、ヘアスタイル、メイクアップ、スタイリング、さらにはライフスタイルに至るまであらゆる角度とディテールからキャラクタライズし、生み出されたデジタルヒューマンです。 最新鋭のテクノロジーを用いて生み出されたこのデジタルヒューマンは、東映デジタルセンター「ツークン研究所」、及び『Fasu』を擁する私たちアマナにより「企業広告や、ファッションカタログ、またメディアにおけるモデル使用における様々な課題解決」を目的として開発されました。 このバーチャルモデルを用いることで得られるメリットは1. 人種、人選、肖像権問題にまつわるリスク回避 2.使用期限や版権の制限フリー 3.リモートによる発注から納品 4.インナーブランドの統一化 5.CGによる表現可能領域の拡大……ほか多数。コミュニケーション及びコスト、クオリティなど、モデル使用のあらゆるフェーズで生じるデメリットをミニマムにし、モデル表現の可能性を大きく広げていきます。 デジタルヒューマンが描き出す、新しいモデルのあり方と可能性、そして未来にご期待ください。 問い合わせ先:

2022.11.17
エルゴベビーの抱っこひも「ADAPT」がリニューアル発売。アップデートした機能を解説
動物園、博物館、美術館…。9つの施設でシームレスにクリエイティブな体験ができる「Museum Start あいうえの」とは
圧倒的な高級感で魅了。黒川鞄工房の「シボ牛革」ランドセルシリーズに新色が登場【2023年ラン活NEWS】