DATE 2021.11.29

カゴメの考えるSDGs。野菜の会社が行きついた、地球のため、子どもの未来のためにできること

2019年に長野県の富士見町にオープンした「カゴメ野菜生活ファーム富士見」は、環境に配慮したモノづくりなどカゴメのサステナブルが詰まった場所。その取り組みの内容とは?

環境に負荷をかけないモノづくりや持続可能な農業の推進など、食品の作り手となる企業も、今、さまざまなサステナブルな取り組みに力を入れている。こうした普段はなかなか見ることができない企業の取り組みにも触れられるのが、長野県の富士見町にある「カゴメ野菜生活ファーム」だ。

 

 

野菜の収穫体験や隣接するカゴメ富士見工場のVR映像での工場見学など、農業、工業、観光が一体となった野菜のテーマパークとして、子どもも大満足のアクティビティを楽しむことができる。

 

【カゴメ野菜生活ファームの楽しみ方はコチラ】

露地栽培の畑で採れたての野菜を食べたり、畑のクイズラリーで生き物と自然について探求したり….と、大自然のなかでのリアルな体験は、環境保全が食の未来にもつながることや生き物と共生する社会の大切さなど、教科書や学校の授業だけでは得られない、サステナブルな気づきをたくさん得ることができる。

 

そのため、ただ観光を楽しむだけではない「学びの場」としてファミリーにも人気があり、都心からのリピーターも多く、夏休みには自由研究のためにここを訪れる子どももいるそう。

 

そんな遊び+学びのアクティビティを楽しめるだけでなく、「カゴメ野菜生活ファーム富士見」では、カゴメのサステナブルな取り組みの一端を知ることができる場所でもある。

 

CO2削減に貢献!カゴメの地球に優しいトマトづくり

そのひとつが、環境に配慮したトマトづくりだ。

 

「カゴメには「畑は第一の工場」という言葉があり、よい原料はよい畑から育つという思いでモノづくりを続けてきました。自然の恵みをたっぷりと受けた美味しい農作物を育てるためにも、自然環境の保全活動や環境に配慮したモノづくりに取り組んでいます」と話すのは代表の河津佳子さん。

 

こうした自然環境への負荷を軽減するモノづくりとして、カゴメ野菜生活ファーム富士見に隣接しているトマト栽培用の大型温室では、工場の操業で排出される温水とCO2をパイプで引き込み、トマトの栽培に活用しているそう。

 

「温水は暖房に、CO2はトマトの光合成に利用しています。工場と隣接しているため、こうした排出物がどうしても出てしまいますが、それを廃棄せず、農作物の育成に役立てることで、循環型の農業を実現しています」(河津さん)

 

この大型温室は、衛生管理上、来場者が立ち入ることはできないが、観光用の温室では、さまざまなトマトに出会うことができる。

 

「こちらでは、一粒の種から育て天井いっぱいに広がる「トマトの樹」を栽培しているほか、江戸時代に栽培されていたトマトなど、カゴメが保有する珍しい品種を紹介しています。夏には天井がほとんど覆われるほどに育つ「トマトの樹」を見ていただき、トマトの生命力を感じていただければと思っています」(河津さん)

こちらがトマトの樹を栽培する観光用温室。春〜秋には、実際に実が成っている様子を見学することができる。
こちらがトマトの樹を栽培する観光用温室。春〜秋には、実際に実が成っている様子を見学することができる。

野菜って楽しい!子どもたちの探究心を育む食育

野菜についての知識を深めたり、食や農業に関するさまざまな体験を次世代を担う子どもたちに伝えるための食育活動に力を入れているのも、カゴメ野菜生活ファーム富士見の特徴だ。

たとえば、こちらの看板。これは来場者が収穫体験をする畑に設置されているもので、「トレビスはどこが産地でしょうか」、「人参はオレンジですがそれは次のどの色素が入っているかえらんでください」など、楽しい野菜クイズが出題されている。

 

「この野菜クイズは地元の小学校の子どもたちが、野菜のことを調べながら手作りしてくれたものです。この手描きのなんとも言えない温もりが、来場してくれた方を笑顔にしてくれますし、カゴメ野菜生活ファームの宝ものです」(河津さん)

看板の裏側には答えが書かれているので、「これは知らなかった」、「正解してた!」と、遊びに訪れた子どもたちにとっても、畑を巡りながら野菜について楽しく学べる仕掛けになっている。

 

「夏にはよい農作物が育つ肥沃な土壌をつくるために、畑で緑肥となるひまわりを栽培し『ひまわり迷路』をつくるのですが、この種まきにも毎年、地元の小学生や福祉施設の方たちに協力してもらっています」(河津さん)

さらに今年は、地元の小学生たちが、『ひまわり迷路』の種を集め、地元の搾油所で加工したひまわり油をつくり、実際に商品化したものをカゴメ野菜生活ファーム富士見のショップで仕入れて販売したという。

 

観光で訪れた子どもたちも、地元の子どもたちも食を通した学びと、ここならではの体験ができる場所になっているのだ。

 

子どもたちに野菜の本当の美味しさを感じてもらう場として

「野菜はこうやってできるんだ」、「新鮮な野菜ってこんなに美味しいんだ」、「大切に育てられた野菜は残さず食べよう」。ここで野菜の“本当の美味しさ”や野菜の成り立ちに触れる体験は、大人はもちろん、子どもたちの食に対する意識も変えてくれる。

 

「さまざまなアクティビティを通して、野菜の美味しさや楽しさとともに、カゴメが培ってきた健康に対する知見を伝えることで、みなさんの食生活の改善にも役立ててもらいたいと思っています」(河津さん)

ここを訪れた後には、「今日は野菜が少ないから野菜ジュースを飲もう」、「もったいないからこの部分も食べよう」そんな風に子どもたちから声をかけられることになるかもしれない。

 

ただ体験して楽しい、だけでなく、地球に優しいモノづくり、未来を担う子どもたちの食育と、カゴメの食のサステナブルにあふれた「カゴメ野菜生活ファーム富士見」。雄大な八ヶ岳の自然のなかで、心も体もリフレッシュしながら、親子でここならではの体験と学びを楽しんでみてほしい。

お話を聞いた人
河津佳子さん

カゴメ野菜生活ファーム株式会社 代表取締役。ショールームのアテンダント、美容関連企業での商品開発、外資系証券会社、ゲームソフト会社などの広報を経験。42歳でカゴメ入社。商品企画部でマーケティングを担当後、広報総括、IRグループ部長を経て’18年より現職。

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