DATE 2021.02.17

センスの“英才教育”を。インテリアのアクタスがランドセルをつくる理由

2009年に登場して以来、感度の高いファミリーから圧倒的な支持をうけているアクタスのランドセル。今年は限定モデルも加わり、さらに注目を集めそうな気配。大人目線でもかっこいいランドセルには、ロングライフデザインというブランド哲学が根底にあった。

親子で一緒に楽しめる子ども家具を目指して。「アクタス キッズ」の挑戦

早くも2022年入学の“ラン活”がはじまりつつある今日この頃。

工房系から大手メーカーまでその選択肢はまさに千差万別だが、早期に完売してしまうモデルもあるほど人気なランドセルのひとつがアクタスのものだということをご存じだろうか。

 

アクタスといえば、大人から子どもまで、世代を超えて愛される家具で広く知られている。まだ日本にライフスタイルという言葉が浸透していなかった時代から、アクタスは上質で丁寧な暮らしを目指して日本のインテリアを牽引してきた。天然木を使ったモダンな家具、ヨーロッパの雰囲気漂うシックなインテリアは、センスのいい人々たちに指示され、暮らしに馴染んでいった。

今から22年前、「アクタスらしいシンプルでモダンな学習机を作ってほしい」というファンからの要望でスタートしたのがアクタスの子ども家具開発。

 

ランドセルはその10年後に誕生した。

 

「子どもと大人が一緒に楽しめるインテリアを真面目に考えるところから、アクタスの子ども家具がスタートしました。『消費者の生活に寄り添う』というものづくりの考えの中で、子どものためのインテリア提案の延長上で今作るべき製品は何か、と話し合った結果出てきたのがランドセルでした。当時は黒か赤の昔ながらのランドセルか、お子さんの好みに迎合したキャッチーなデザインのランドセルしか選択肢がなかったのです」(「アクタス」プレス 関さん)

 

今だけでなく6年先を見据えた、大人が見てもかっこいいランドセル

サイドのアーガイルステッチと、カバーを開けたときの型押しエンブレムが特徴のアクタスのランドセル。マット調のシックな色とシンプルなデザインは6年間使っても飽きのこない見た目だ。象徴的なのは、冠せ部分が短いハーフカバーのモデル。メタルの留め具がアクセントになり、個性が光るデザインだ。

 

「お子さんが学校に行くときに、親御さんがランドセルをさっと開けて忘れ物のチェックをしてあげられます。金具が表に出ていることでスタイリッシュに見えるのもポイントですね。フルカバーのモデルも含め、カバーには装飾を施さず、サイド部分のみにステッチを配しています。アクタスのインテリアが好きな方のためのランドセルなので、テイストには統一感を。家具と同様にマットな仕上げで、素材やカラーにも気を使っています。6年間で子どものファッションセンスも変化するので、親目線の、ちょっと背伸びができるカラー展開にしています」

2022年最新コレクションの限定モデルは、クラシックグリーンとチョコブラウンの2色。金具にはゴールドを採用したトラディショナルなスタイル。長く使える落ち着いたマットなカラーは、アクタスのコンセプトでもあるロングライフデザインにも通じている。

 

「ランドセルが部屋に置かれた時の様子も考慮してカラーを選んでいます。アクタスの家具はナチュラルウッドが基調。そんなインテリアのトーンとも馴染むランドセルを目指しています」

 

「本物」を知ることで磨かれる、センスの英才教育

「アクタス キッズ」の製品特徴は、大人が見ても欲しいと思える上質でモダンなデザインにある。小さな頃から「本物」に触れることで、自然と審美眼が養われていく。

 

「子どもたちに一過性のモノではなく、ものを大事にすることを早い時期から考えて欲しいという想いがあります。例えばお茶碗やお皿もできれば大人が使っている陶器を使うことで、粗末に扱うと壊れてしまう、割れてしまうということを知って欲しい。ものを選ぶ目線を幼い頃から養う、いわばセンスの英才教育ともいえます。いいものを使っていれば、ものを大事にする気持ちが自然に芽生えていくと思います」

 

ブランドとして一貫して提案するのは、家族の変化に合わせて使いまわしていけるロングライフな製品だ。

「子ども家具に関しては、お子さんの成長と共に役目が終わるのではなく、後に大人になっても使える、または両親に引き継いで使ってもらえるような耐久性・デザインにしています。大事にして、生涯使ってもらえたらという感覚で開発しています。

また親が夫婦2人で生活してきた空間の中に新たに投入しても、自然と馴染む子ども家具を目指すこと。インテリアに溶け込むデザインや素材を選ぶことは、子ども家具の立ち上げ当初からの考え方です」

 

届けたいのは、新しい暮らしの価値観

社内では、スタッフ間で暮らしのアイデアを話し合うことが多いそうだ。「こういう生活を送れたら暮らしは楽しくなるね」「製品を通して、生活の中に新しい発見があったら嬉しい」という気持ちが、アクタスのプロダクトを作っている。そしてこの考え方は、子ども家具だけではなく全ての製品において貫かれている。

 

「昨年、緊急事態宣言が出て家の中で過ごさなければならなくなった時に我々が話し合ったことは、“何か商品を生み出そう”ということではなく、家の中でどうすれば快適に過ごせるかを考えてお客様に提案しよう、ということでした。そこでスタッフが自宅写真をSNSに載せて、こういう工夫をすればコロナ禍のストレスが少し解決できるかもしれませんよ、と提案したんです。そうしたスタッフの日常が見える投稿は、高い共感をいただくことができました」

 

この投稿をInstagramで見る

 

𝐚𝐜𝐭𝐮𝐬(@actus_press)がシェアした投稿

アクタスの公式instagramでは、消費者の視点に立ちながら、新しい暮らしの提案を積極的に行なっている

アクタスの製品は、ある一つの目的のためだけに使うのではなく、さまざまな使い方を楽しむこともできる。例えば、親の本棚に子どもの好きな本も並べて共有することで、親子のコミュニケーションのきっかけを生み出したり、子どもが幼い頃に使ったお絵描きテーブルをソファテーブルとして使ったり。親目線で選んだものが、次第に子どもが大好きなものになり、みんなの宝物になっていく。家族が成長し、それぞれが別々のことをしていても、同じ空間の中でインテリアを通して、緩やかにつながっていける温かな世界観がある。

 

ランドセル、そして子ども家具。アクタスが手がけるさまざまな製品は、これからも使う人々の大切な思い出を刻みながら、家族の絆を繋いでいく。

LATEST POST 最新記事

第1回:多様な生き方、暮らし方
ARTICLES
第1回:多様な生き方、暮らし方

閃いたのは、新しいクリエイティブのヒント? それとも週末のパーティのアイデア?……ホームオフィスを舞台に、生き生きと働くこの女性。実は『Fasu』のファミリーを想定しながら最新のテクノロジーによって生み出されたデジタルヒューマンです。揺るぎない自分らしいスタイルを持ち、仕事に家事に家族とのクリエイティブな毎日を楽しむ『Fasu』的な暮らしを送る母親像をあらゆる面からキャラクタライズして生まれたこの女性は、私たちが生きる、ほんのちょっと先の未来を想定して生み出されました。 コロナ禍をはじめ、混乱する社会情勢、テクノロジーの急激な進化と未知の世界を歩む私たちですが、このデジタルヒューマンが暮らすちょっと先の未来では、果たして私たちは、どのような家族のかたちを求めて、どのように暮らしているのでしょうか。そんな未来の家族のあり方を、グローバルイノベーションデザインスタジオ「Takram」でデザイン、アート、サイエンスほか多岐の分野に亘ってデザインエンジニアを務める緒方壽人さんに3回にわたってお話を伺います。第1回目である今回は、家族での長野県・御代田への移住と、10年来続けてきたというオルタネティヴな暮らし方にいて訊ねました。 これからの人間とテクノロジーのあり方や共生を探る『コンヴィヴィアル・テクノロジー 人間とテクノロジーが共に生きる社会へ』(BNN刊)。その著者でもある緒方壽人さんは、この本の中で、「ちょうどいいバランス」を探すことの大切さについて触れています。 「暮らし方や家族のあり方は多様で、未来に何かひとつの理想形があるとは思いません。ですから今日お話しできることは、僕自身の家族のことや、これまでの経験から考えていることでしかないのですが……」 そう前置きしながら、控えめに、ゆっくりと話し始めた緒方さん。その穏やかな様子は、移住先である御代田の空気をそのまままとっているかのようでした。   〜〜 中略 〜〜 WHAT’S DIGITAL HUMAN? 揺るぎない自分らしいスタイルを持ち、仕事、家事、そして家族とクリエイティブな毎日を楽しむ女性。本記事トップビジュアルとして登場したこのモデルは、先述のように『Fasu』ファミリーの母親像を、顔立ち、ヘアスタイル、メイクアップ、スタイリング、さらにはライフスタイルに至るまであらゆる角度とディテールからキャラクタライズし、生み出されたデジタルヒューマンです。 最新鋭のテクノロジーを用いて生み出されたこのデジタルヒューマンは、東映デジタルセンター「ツークン研究所」、及び『Fasu』を擁する私たちアマナにより「企業広告や、ファッションカタログ、またメディアにおけるモデル使用における様々な課題解決」を目的として開発されました。 このバーチャルモデルを用いることで得られるメリットは1. 人種、人選、肖像権問題にまつわるリスク回避 2.使用期限や版権の制限フリー 3.リモートによる発注から納品 4.インナーブランドの統一化 5.CGによる表現可能領域の拡大……ほか多数。コミュニケーション及びコスト、クオリティなど、モデル使用のあらゆるフェーズで生じるデメリットをミニマムにし、モデル表現の可能性を大きく広げていきます。 デジタルヒューマンが描き出す、新しいモデルのあり方と可能性、そして未来にご期待ください。 問い合わせ先:

2022.11.17
エルゴベビーの抱っこひも「ADAPT」がリニューアル発売。アップデートした機能を解説
動物園、博物館、美術館…。9つの施設でシームレスにクリエイティブな体験ができる「Museum Start あいうえの」とは
圧倒的な高級感で魅了。黒川鞄工房の「シボ牛革」ランドセルシリーズに新色が登場【2023年ラン活NEWS】