ボントンPRに聞く、アートと暮らす部屋の作りかた
マリアさんのお宅はアーティストのご主人と小夏ちゃん(2歳)の3人家族。都内の2LDKのマンションは、ご夫婦のテイストがしっかり貫かれた空間になっている。
「家具は、ほとんどヴィンテージものです。ヴィンテージを扱うお店や蚤の市などで、少しずつコツコツと集めました。中には新品のものもあって、リビングのソファはアクメファニチャーのもの。でも、他のものとなじむようなテイストのものにしました」(マリアさん)
さらにご主人が買い集めたオブジェやご自身の作品など、部屋にあるものは個性の強いものばかりなのに、統一感があるのはさすが。色のトーンや、丁寧に作られたものが多いからだろう。
小夏ちゃんのスペースは寝室のベビーベッド周りと、リビングのソファ近くのエリア。子どもがいるとどうしても雑然としてしまいがちだが、そういうところも一切ない。
「小夏のおもちゃは見せるものと、そうでないものを区別しています。それと、子どもにはブームがあるので、その時遊ぶものだけをこのアーツ&サイエンスで買ったシェーカーボックスや籠にしまって自由に遊べるようにしておきます。それ以外は小夏が知らない所にしまっておいて、日にちを追って順繰りにその内容を替えています」(マリアさん)
インテリアも素敵に、子どももおもちゃや絵本に飽きない、一石二鳥のアイデア。是非真似してみたい。
キッズスペースにアートフォトを
ベッドルームのベビーベッド周辺は、小夏ちゃんのためのスペース。ボントンの象モチーフの壁掛けやアンティークの木馬、そして天井にはモノクロのシックなガーランドが飾られていて、そのテーマはずばり“サーカス”。
そこで、「以前から何かを掛けたいと思っていた」というベビーベッドの背面の壁には、アートフォトが手軽に買えるショップ、イエローコーナーの写真から、大好きなジャック・タチの古いサーカスの写真をセレクト。ヴィンテージのものが多い部屋にしっくりと合うと同時に、部屋全体にもニュアンスが増した。
また、リビングのソファの背面にはマン・レイ作品をチョイス。同じモノクロでもこちらはぐっとアーティで大人っぽい雰囲気に。写真のアフリカンマスクのエキゾチックなテイストが壁に吊るしている植物と絶妙にマッチ。こちらはよりパブリックな要素が強いスペースなので、あえてこうした写真をかけることで生活感も抑えることができる。
子どもがいる家にモノクロのアートフォトは、新鮮かつ長く楽しめそうな組み合わせかもしれない。
ファミリー写真を素敵に飾る
生活空間に取り入れやすい写真と言えば、子どもや家族の写真。けれども、プライベートな写真だけに、その飾り方を一歩間違えると生活感が一気に出てしまうもの。マリアさんの家では、そうした写真は数カ所にまとめて飾っている。玄関の前の壁には、小夏ちゃんの写真が。ベルベットリボンでつり下げるタイプのボントンのフォトフレームをサイズ違いで使うことで、壁の一画がまとまった印象になっている。
リビングルームの壁には、マリアさんの赤ちゃん時代の写真や学生時代の写真、そして小夏ちゃんが生まれてから家族3人で撮った写真が並ぶ。ファミリーの歴史が感じられる、とても素敵なスペースだ。フォルムもサイズも異なるフォトフレームとプレートを組み合わせて飾るのも取り入れたいアイデアのひとつ。
あえて個性のあるもの同士と組み合わせる
ダイニングルームに置かれたヴィンテージのチェストもデコレーションのアイデアがいっぱい。ご主人がひとめぼれして買ったという帆船の模型、マリアさんのバースデープレゼントとしてご主人自らが描いたウサギの絵、その隣りに置かれた象の写真作品。フォトスタンドには小夏ちゃんの写真が並ぶ。いずれもサイズもインパクトもかなりのものだけれど、使用している色の数が少なく抑えめであること、ウサギの絵と象の写真という“動物つながり”などのテーマ性をもたせていることから、一つの世界観ができあがっている。
ご主人のアトリエの前のスペースは、作品で使用する画材や額縁などが無造作に置かれていることが多い。そこにこちらもイエローコーナーで選んだデヴィッド・ボウイのアートフォトを絡めて。何気なくおいている感じがオシャレ感を増している。