DATE 2022.03.23

人気講座は即満席!子どもたちが自然と学びに熱中する、探究学習のパイオニア「探究学舎」

2022年より高校の学習指導要領にも導入することが決定している、探究学習。探究を掲げる学習塾はここ数年続々登場しているが、2011年に東京・三鷹で先駆けて開校した「探究学舎」はそのパイオニア的存在だ。探究学舎が目指す、子どもの好奇心ややる気を引き出す教育とは。

 

「主体的・対話的で深い学び」を実現する探究学習に注目が集まる今、子どもたちの“探究心”に火をつける授業で注目を集めている教室が「探究学舎」だ。

 

受験対策を目的とした学習塾とは違い、子どもたちが物事をもっと深く知りたくなる、ユニークかつ感動の学びの体験ができると、保護者&生徒の間でも評判は上々。例えば、戦国時代の英雄たちの熱き挑戦のドラマを知ることができる「戦国歴史」をテーマにした授業や、宇宙、生命、元素、医療、数学、経済、芸術、ITの授業など……。子どもの興味を喚起する、質の高いコンテンツを幅広く展開している。

 

 

さらに2022年3月より、大きく事業をリニューアル。1年間で12テーマ(毎月1テーマ)を網羅しながら学ぶ「広げるコース」と、1つのテーマを3ヶ月かけてじっくり学ぶことで、自分の中に芽生えた興味を深め磨きをかける「深めるコース」。それに加えて、三鷹のリアル校舎で2日間じっくり1つのテーマに取り組む集中講座「探究スペシャル」という3つの参加形式を用意。

 

教育理念から授業形態まで、従来の教育スタイルとは一線を画する探究学舎が子どもたちに伝えたい、学びの面白さとは? 今回、教室で第一号の生徒として学び、今では中心的講師として活躍する木元隆雄さんに話を伺った。

 

「探究学舎」講師・木元隆雄さん
探究学舎」講師・木元隆雄さん

講師自らが感動・熱中した学びをテーマに授業を展開

探究学舎を立ち上げたのは、「探究心に火がつけば子どもは自ら学び始める」をモットーとする父親から型破りな家庭教育を受けて育ち、高校中退・大検取得を経て京都大学に進学したという経歴を持つ宝槻泰伸さん。彼は教育に革新を起こすべく2005年に株式会社ワイズポケットを立ち上げた後、約6年の研究開発期間を経て、2011年に探究学舎をスタートさせた。

 

そこに高校3年生の時、第一期生として入塾したのが、現在は歴史の授業を中心に人気講師として活躍する木元隆雄さんだ。「当時は塾長(宝槻さん)とお父様の2人が教える小さな個人学習塾だったのですが、当時から人の心を鷲掴みにする塾長の授業は凄かったですね」と木元さんは振り返る。

 

「探究学舎」代表・宝槻泰伸さん
探究学舎」代表・宝槻泰伸さん

現在のような探究スタイルの授業は、ドリルをやらせても集中力が持たない小学生のために、「ブレイク的に10分程度面白い話をしよう」というところから始まったそう。取り扱うテーマは、宝槻さんをはじめ授業の作り手(講師)が心の底から「面白い!」「すごい!」と感動したものだという。

「たとえば『宇宙編』という授業では、塾長がサイモン・シンの『宇宙創生』などを読んで感動に打ち震えた体験を反映しています。他の授業も同じ。塾長には“自分が面白いと思ったものは全人類が面白いと思うはず”という自信と高い感度があるんです」(木元さん)

 

 

探究学舎ならではの授業のあり方について木元さんは、「例えば “夏の大三角を構成する星はどれでしょう?“みたいな授業をしても、それは暗記でしかないですよね。でも我々のリアル授業では、ビー玉や風船といったアイテムを使って宇宙のスケールを体感するなどのアクティビティを通じて、子どもたちが驚きや感動を得られるようにしています」と説明する。

 

創設当初は試行錯誤の連続だったというが、近年はラーニングエクスペリエンスデザインの考えに基づいた、より探究度合いが高く、かつエンターテインメント性も高い授業を提供できるようになっているそうだ。

 

授業で使用している、巨大な風船とビー玉。地球の大きさをビー玉としたとき、太陽の大きさを風船で表現し、その違いを教えるという

 

 

そのほか、本物の元素の物質や、元素かるた、分子模型、カラフルな人体模型など、子どもたちの興味を引くアイテムを用意し、授業で活用している

 

 

オンライン授業でもリアル授業の熱狂を再現

コロナ前は実際の教室に通う形も用意されていたが、現在は、前途でも説明した通り2日間の集中講座「探究スペシャル」以外はほぼ全面オンラインに。ただ、オンライン授業はコロナ対策ではじめたわけではなく、全国の子どもたちに「探究学舎」の授業を届けるべく、宝槻さんが既に2019年にスタートさせていたものだと言う。

 

「オンライン授業でも、どうすればリアル授業と同じ熱狂体験を作れるか?」ーその課題を解決すべく、探究学舎では授業内で様々な工夫を凝らしている。例えばただの聞き流しにならないよう、チャットやクイズ機能を使って積極的に授業に参加してもらうことはもちろん、昨年9月に行った「食編」の授業では、カメラの前にそれぞれ家庭にある調味料を用意してもらい、実際に味わってみることで、子どもたちの主体性を損なわない内容を目指したそう。

また、ただ授業(インプット)を行うだけでなく、学んだ後に子どもたちが思わずやってみたくなる自由課題(クエスト)の提案も行い、それを発表する場(アウトプット)も用意。授業で芽生えた子どもたちの探究心を、グングン伸ばせるように後押しもしている。

 

ちなみに授業には大人数の子どもたちが参加するが、子どもたちの意欲をスタッフが丁寧にフォローするので、引っ込み思案な子どもでも埋没せず、自分らしい形で探究活動を行えるので安心だ。 

 

 

「驚きと感動の種まきをするのが僕たちの仕事ですが、それが子どものうちに発芽する人もいれば、大人になってからの人もいる。伊能忠敬は49歳で隠居、50歳で高橋至時に出会って勉強し、72歳で最後の測量の旅に出ていますが、それを『遅すぎる!』と批判する人はいませんよね。だから探究学舎に来てくれる子どもたちにも、熱中できる学びがすぐに見つからなくても焦らなくて大丈夫、と伝えています。それに『このジャンルの学びは興味がない』と分かることも、探究だと思います」と木元さん。

さらに「エジソンは白熱電球の実用化に向けたフィラメントの改良において、6000種類の素材を使って10000回実現しましたがうまくいかず、ことごとく失敗しています。でも彼は『私は一度も失敗していない。10000通りのうまくいかない方法を試しただけだ』と言いました。これこそが探究の本質だと思うんです」と加える。

 

学習塾と言うと、親は早く学びの成果が出ることを期待しがちだが、その子のペースに合わせて色んな可能性を探りながら、じっくり・ゆっくりと好きな学びを探究できる。だからこそ、学びが「面白い」へと変わっていく。これこそが探究学舎の魅力と言えるだろう。

 

生徒が授業を通して作った作品たち。制作レベルの高さからも、子どもたちの熱中度が伺える
生徒が授業を通して作った作品たち。制作レベルの高さからも、子どもたちの熱中度が伺える

詰め込みの勉強から探究へ。その転換が、子どもの未来を切り開く

様々な子どもたちの興味・関心をカバーできるよう、多彩なテーマの授業が揃っていることが探究学舎の強みだが、「深めるコース」や「探究スペシャル」など1つのテーマにじっくり取り組む集中講座の場合、「最初はどの授業から選んだら……?」と悩むファミリーも多いだろう。その場合は「その子が苦手なものではなく、『好きかも』くらいのところから入った方が、学びの楽しさを実感しやすいと思います」と木元さんは助言する。

 

三鷹のリアル校舎の教室も、開放的なスペースで心地よく、楽しく学べる環境になっている
三鷹のリアル校舎の教室も、開放的なスペースで心地よく、楽しく学べる環境になっている

 

探究学舎が目指すのは、「1人でも多くの子どもが、勉強から探究へと『学びの変革』を起こし、好きなことをライフワークにしながら社会貢献にチャレンジする人を増やす」こと。

 

子どもと一緒に授業に参加した保護者が、「大人でも受けてみたくなる!」と魅了されるそのユニークな授業は、一度体験してみる価値はあるはずだ。今回取材に応じてくれた木元さんの戦国歴史の授業をはじめ、人気講座は瞬く間に枠が埋まってしまうそうなので、気になる人はホームページからメールマガジンに登録して最新の情報をチェックして。

 

 

特徴

□オンライン(毎週参加 or 1ヶ月半〜3ヶ月間の集中講座)とリアル(2日間の集中講座)の3タイプから選択可能

□歴史・宇宙・生命・元素・医療・数学・経済・芸術・ITなどの多彩な授業

□小学生・中学生向け(学びが深まるため、親子の参加を推奨)

金額:【広げるコース、深めるコース】月額 8,000円、【探究スペシャル】39,600円(2日間)

参加方法:【広げるコース、深めるコース】オンラインで予約&Zoomで受講、【探究スペシャル】探究学舎専用アプリから予約

運営企業:株式会社探究学舎

https://tanqgakusha.jp/

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