〈アニヤ・ハインドマーチ〉から新世代のサスティナバッグ『I AM A Plastic Bag』登場
2007 年、モード界を飛び越えて社会現象ともなった〈アニヤ・ハインドマーチ(Anya Hyndmarch)〉による「I’m NOT A Plastic Bag」プロジェクト。使い捨てのレジ袋から何度も使えるキャンバス製のバッグへの転換を促し、環境問題への意識改革へと導いた。あれから13年。今年2月のロンドン・ファッション・ウィークで発表されたのは、「I AM A Plastic Bag」コレクション。先にロンドンで限定発売されたバッグは既に大きな話題に。リリースを今か今かと待ちわびる人も多かった注目のコレクションが2020年6月25日(木)よりオンラインストアで発売に。店頭発売は7月以降、〈ロン・ハーマン〉ではエクスクルーシブ・カラーのバッグの販売も!
こちらは新開発されたしたリサイクル・ペットボトルを原料とするファブリックと、 ブランドの代名詞ともいうべき「クラフツマンシップ」を用い仕上げたコレクション。集められたペットボトルを分類し、砕き、洗浄した後にペレット状にしたものを、溶かして繊維として取り出し、これを織ることでファブリックに。コットンでできているかのような風合いのキャンバスに仕立てている。ラージ・サイズのバッグ 1 つに必要なファブリックは、500cc のペットボトル 32 本。生地の丈夫さと耐水性を確保するために、自動車などのフロントガラスをリサイクルしたPVB:ポリビニルブチラール素材でコーティングを施している。また トリミングに用いられるレザーは、北イタリアのタンナリー(なめし工場)が食肉産業の副産物として提供しているもの。このタンナリーは、環境基準監査の国際団体であるレザー・ワーキング・グ ループより「ゴールド」の評価を得ており、森林破壊にはつながらない放牧により育てられたトレーサビリティを確保できる素材のみを使用。バッグを仕上げる工場からほど近い場所に位置するなど、細部にわたるまで徹底したものづくりから生まれている。
この発売を記念して、6月25日(木)〜 30日(火)まで、ロンドンで開催されたものと同様のインスタレーションを表参道ヒルズの「表参道 R スタジオ」にて開催。店内を使用済みのペットボトルで埋めつくし、捨て去られるペットボトルへの注意を喚起することを目標として行われたインスタレーションは、必要となるペットボトル 19,539本 が集められた。この数は日本国内で25秒ごとに消費されるペットボトルの量になるという。 SDGsやサスティナビリティが体感できる、モードにして社会的な展示。スタイリッシュでウィットに富んだインスタレーションを見ながら、改めて環境について考えてみたい。
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