今年の桜は例年よりずっと早くに満開になり、花見の予定をたてるまえに散ってしまった。満開だなあ、、と思いながら移動中の車のなかで眺める、スーパーに買い物に行った際に側道で咲いていた桜を見上げる、というぐらいのもので、インスタグラムにあがった友人が撮影した満開の桜の写真を見ながら、いいなあと思うだけだった。東京の部屋からは桜が見えるのだけど、1週間ぶりに部屋に入ると先週は蕾だったのにすっかり散っていた。ソメイヨシノと違って山桜系なので、毎年3、4日だけしか花は見られないのだが、きれいにその時期を逃してしまったようで、部屋の窓際でひとり地団駄を踏んだ。ゆっくり花見ができないと思うと逆に撮影したくなり、作業の合間に徒歩圏内の道端に咲いている桜を撮りに行った。夕陽を背に満開の桜を見上げると、風が吹くたびに、はらはらと花びらが舞った。一年のなかで少ししかないこの期間、毎年自分が思っている以上に自分は楽しみにしていたのだなあと、散る花びらを目で追いながらふと思った。みつばちが花に顔をうずめている様子を何枚か撮影すると、なんだか少し満足した。