第44回:salvia デザイナー セキユリヲより 地域の新しいご縁を大切に。今年は北海道で新年を迎える。
女性は子どもを産むとみんな「はは」になる。当たり前のことだけど、みんなそれをどう受け入れ、日常を送り、自分の生き方を新たに手にするのでしょうか。この連載では、クリエイターとして活躍する二人の「はは」に手紙をやりとりしていただきます。それぞれの悩みや愚痴、ときに葛藤、あるいは日々の喜びから、あなたや私の「はは」としての生き方のヒントがみつかるかもしれません。2月からは、人気絵本作家であるtupera tuperaの中川敦子さんとサルビアを主宰するデザイナーのセキユリヲさんによる往復書簡をお届けします。 セキユリヲさんから中川敦子さんへ。 ────── 中川敦子さま いよいよ2020年がやってきましたね。近所の国立競技場がオープンして、本当にオリンピックがはじまるんだ、という実感がわいてきました。今までにない大混雑になるであろう東京で過ごすのはちょっと不安もあり、期間中はどこかにゆるりと旅にでも出たいところ……だけど起こることをこの目で見てみたいという気持ちもあります。 前回の写真の金屏風に描かれた葵祭の行列、斬新! 古くから続く歴史も、tupera tuperaが切り取るとこんな風に楽しく見えるんだなあ、面白いなあと思いました。重みのあるもの、とっつきにくいものも、お二人が表現すると途端に楽しくて目が離せない作品になっちゃうのがすごい! お正月はのんびりできましたか? 我が家は例年、元旦になった早朝のうちに近所の八幡宮にお参りに行きます。行列している間、近所の小学生が書いた書き初めの作品がずらりと並んでいるのを見て「ああ、この子うまいねえ」「この子、上手じゃないけど一生懸命な感じが好き」なんて夫婦で話すのも毎年のこと。お参りしたらおみくじを引いて(去年長女は大吉だったな)、家に帰ります。元旦の午後からは、都内の夫の実家でおせちを食べたり、集まった子どもたちとゲームをしたり。うちの子たちが一番小さいのでみんなにすごく可愛がられて帰ってきます。2日か3日には私の実家に行ってまた飲んだり食べたり。4日は先輩のお家で新年会、とバタバタとしているうちに、すぐいつもの日常がはじまっちゃう。お正月くらいゆっくりしたいなあと思っても、3度のご飯と洗濯、掃除、いただいた年賀状の返信を書いたりしていると、あっという間に過ぎてしまいますね。