DATE: 2021.03.31

豊かな暮らしを家族で見つめ直す展覧会。「アイノとアルヴァ 二人のアアルト フィンランド—建築・デザインの神話」

世田谷美術館で3月20日よりスタートした「アイノとアルヴァ 二人のアアルト フィンランド—建築・デザインの神話」展。貴重な写真や図版、プロダクトや模型など約200点の展示とともに、アアルト建築の軌跡を辿る展覧会となっている。
アイノ・アアルトとアルヴァ・アアルト、1937年 Aalto Family Collection, Photo: Eino Mäkinen

アイノ・アアルトとアルヴァ・アアルト、1937年 Aalto Family Collection, Photo: Eino Mäkinen

「アイノとアルヴァ 二人のアアルト フィンランド—建築・デザインの神話」は、フィンランドが生んだ建築家の巨匠であるアルヴァ・アアルトの妻、アイノ・アアルトに焦点を当てた国内初の大規模な展覧会。これまであまり注目されてこなかったアイノの仕事に着目することで、アルヴァ・アアルト建築とデザインの本質を紐解いていく。

アルヴァ・アアルト、41 アームチェア パイミオ、1932年デザイン Photo: Tiina Ekosaari Alvar Aalto Foundation

アルヴァ・アアルト、41 アームチェア パイミオ、1932年デザイン Photo: Tiina Ekosaari Alvar Aalto Foundation

アイノは1924年、まだ無名の建築家だったアルヴァの事務所で働き始め、ともにヘルシンキ工科大学の卒業生だった二人は半年後に結婚。公私にわたるパートナーとなる。

 

当時、合理主義的なモダニズム建築が主流のなか、アイノがパートナーとなったことで、「暮らしを大切にする」という視点が生まれ、使いやすさや心地よさを重視した空間やプロダクトを築き上げたアルヴァ。今なお愛され続けるアアルト家具は、アイノの存在があってこそ生まれたもの。

アアルトハウス リビングルーム Alvar Aalto Foundation

アアルトハウス リビングルーム Alvar Aalto Foundation

夫・アルヴァと対等な関係でアアルト事務所を牽引し、現在も続くアルテック社の初代アート・ディレクターを務め、自身も建築家・デザイナーとして活躍したアイノ。二人の子どもの母として家庭と普段の生活を愛し、その生活に根付いた視点こそが、アアルト建築のエッセンスを築き上げた。

アアルトハウス庭側立面スケッチ、1935年 Alvar Aalto Foundation

アアルトハウス庭側立面スケッチ、1935年 Alvar Aalto Foundation

今展では、フィンランドのアルヴァ・アアルト財団と、遺族によるファミリー・コレクションの全面的な協力により、日本初公開となる家族の写真やプライベート・スケッチなども紹介。家にいる時間が長くなり、住まいの在り方も変わりつつある今こそ、アイノとアルヴァの二人が築き上げた“豊かな暮らし”の本質とは何か。この機会にぜひ家族で考えてみませんか。

※開催の状況はお出かけ前にご確認ください。

※お出かけの際は密を避け、施設が定める新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策に従いながら、楽しく遊びましょう!

LATEST POST 最新記事

第1回:多様な生き方、暮らし方
ARTICLES
第1回:多様な生き方、暮らし方

閃いたのは、新しいクリエイティブのヒント? それとも週末のパーティのアイデア?……ホームオフィスを舞台に、生き生きと働くこの女性。実は『Fasu』のファミリーを想定しながら最新のテクノロジーによって生み出されたデジタルヒューマンです。揺るぎない自分らしいスタイルを持ち、仕事に家事に家族とのクリエイティブな毎日を楽しむ『Fasu』的な暮らしを送る母親像をあらゆる面からキャラクタライズして生まれたこの女性は、私たちが生きる、ほんのちょっと先の未来を想定して生み出されました。 コロナ禍をはじめ、混乱する社会情勢、テクノロジーの急激な進化と未知の世界を歩む私たちですが、このデジタルヒューマンが暮らすちょっと先の未来では、果たして私たちは、どのような家族のかたちを求めて、どのように暮らしているのでしょうか。そんな未来の家族のあり方を、グローバルイノベーションデザインスタジオ「Takram」でデザイン、アート、サイエンスほか多岐の分野に亘ってデザインエンジニアを務める緒方壽人さんに3回にわたってお話を伺います。第1回目である今回は、家族での長野県・御代田への移住と、10年来続けてきたというオルタネティヴな暮らし方にいて訊ねました。 これからの人間とテクノロジーのあり方や共生を探る『コンヴィヴィアル・テクノロジー 人間とテクノロジーが共に生きる社会へ』(BNN刊)。その著者でもある緒方壽人さんは、この本の中で、「ちょうどいいバランス」を探すことの大切さについて触れています。 「暮らし方や家族のあり方は多様で、未来に何かひとつの理想形があるとは思いません。ですから今日お話しできることは、僕自身の家族のことや、これまでの経験から考えていることでしかないのですが……」 そう前置きしながら、控えめに、ゆっくりと話し始めた緒方さん。その穏やかな様子は、移住先である御代田の空気をそのまままとっているかのようでした。   〜〜 中略 〜〜 WHAT’S DIGITAL HUMAN? 揺るぎない自分らしいスタイルを持ち、仕事、家事、そして家族とクリエイティブな毎日を楽しむ女性。本記事トップビジュアルとして登場したこのモデルは、先述のように『Fasu』ファミリーの母親像を、顔立ち、ヘアスタイル、メイクアップ、スタイリング、さらにはライフスタイルに至るまであらゆる角度とディテールからキャラクタライズし、生み出されたデジタルヒューマンです。 最新鋭のテクノロジーを用いて生み出されたこのデジタルヒューマンは、東映デジタルセンター「ツークン研究所」、及び『Fasu』を擁する私たちアマナにより「企業広告や、ファッションカタログ、またメディアにおけるモデル使用における様々な課題解決」を目的として開発されました。 このバーチャルモデルを用いることで得られるメリットは1. 人種、人選、肖像権問題にまつわるリスク回避 2.使用期限や版権の制限フリー 3.リモートによる発注から納品 4.インナーブランドの統一化 5.CGによる表現可能領域の拡大……ほか多数。コミュニケーション及びコスト、クオリティなど、モデル使用のあらゆるフェーズで生じるデメリットをミニマムにし、モデル表現の可能性を大きく広げていきます。 デジタルヒューマンが描き出す、新しいモデルのあり方と可能性、そして未来にご期待ください。 問い合わせ先:

2022.11.17
エルゴベビーの抱っこひも「ADAPT」がリニューアル発売。アップデートした機能を解説
動物園、博物館、美術館…。9つの施設でシームレスにクリエイティブな体験ができる「Museum Start あいうえの」とは
圧倒的な高級感で魅了。黒川鞄工房の「シボ牛革」ランドセルシリーズに新色が登場【2023年ラン活NEWS】