DATE: 2019.02.05
小林エリカ個展「野鳥の森 1F」開催中、東日本大震災で失われた森が題材
作家・小林エリカによる個展「野鳥の森 1F」が六本木・Yutaka Kikutake Galleryで2019年3月9日(土)まで開催。東日本大震災で失われた「野鳥の森」から着想を得た新作シリーズを展示。
FULL SCREEN
MilK JAPON WEBの人気連載、「お子様人生相談室」でおなじみの小林エリカによる個展が、Yutaka Kikutake Galleryで開催中。30点に及ぶペインティング作品「野鳥の森」を含めた、新作シリーズを展示しています。
本作家は、小説家やマンガ家として高い評価を得る一方で、ドローイングやシルクスクリーン、写真、鏡、光や音など多様なメディアを用いた作品を制作。2011年の東日本大震災以前から、原子力エネルギーのリサーチを多角的に行い、自身の家族の個人史とも重ね合わせながら、資料性の高さと豊かな詩情に裏打ちされた作品を発表しています。
今回は、東京電力福島第一原子力発電所を訪れ、かつてそこに存在した植物たちの植生に着目。現在、汚染水タンク置き場になっているその広大な土地は、木々や草花が生い茂り鳥の声が聞こえる「野鳥の森」と呼ばれる場所でしたが、事故後、木々は伐採され、放射線量を抑えるために、地面一帯は銀色のモルタルに覆われたエリアになっています。今回展示される新作は、過去の時間と放射性物質の存在を重ね合わせ、目には見えないものたちへの想像力を喚起させる作品となっています。