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映画『小さい魔女とワルプルギスの夜』。間違ったことに「NO!」を言える強さを
子どもからの指摘に、ハッとさせられることがある。「黄色の信号は渡らないよ」「ちゃんと2列に並んで」とか、ルールをきちんと守って、正しいことを真っ直ぐに言える子どもはすごい。他にも、ニュースで取り上げられる出来事や事件にも、「なぜこれがすごいの?」「どうして悪いの?」「この言葉はどういう意味?」と質問をされることがあるが、ぼんやりとしか理解していないため、きちんと説明できないことがある。 大人になると、輪郭だけを捉えて分かった気になっていることがよくある。本当なら「おかしいぞ」ということに気づかなかったり、まあいいかと流して迎合してしまうこともある。自分が本当はやりたくないことを、「しようがないな」と受け入れてしまうことも度々だ。 それが大人の通過儀礼だとしたら悲しいし、間違っていると思う。間違ったことに「NO!」を、やりたくないことにも「NO!」を言えることは、大人はもちろん子どもにとっても重要なことだと思う。 映画『小さい魔女とワルプルギスの夜』にも、魔女界におけるルールを覆し、正しいことを突き通す“小さい魔女”が生き生きと描かれている。この映画は、ドイツで大ヒットを記録した映画『ハイジ アルプスの物語』のチームが再結集して製作された作品で、原作は世界的児童文学の『小さい魔女』。世界47の言語に翻訳され、60年間愛されて続けている名作だ。 主人公の“小さい魔女”は、127歳のまだまだ未熟な魔女。森の中の小さな一軒家に、カラスの親友アブラクサスと暮らす。彼女は、年に1度、ブロッケン山で行われる魔女の祭り“ワルプルギスの夜”に参加して踊るのが夢だ。